“跪”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひざまず63.7%
ひざまづ17.1%
ひざま10.3%
かしこ4.3%
ひざ1.1%
つまず0.7%
うずすま0.4%
つまづ0.4%
うずく0.4%
かが0.4%
しゃが0.4%
0.4%
ひぎまず0.4%
もろ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
親族、朋友等もまた涙ながらに花嫁の前にひざまずき、その手をとってねんごろに同じような事を戒めるがごとく勧めるがごとくにいうのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
われは心の内にて、この優しき小尼公の前にひざまづかんとしたり。この時フランチエスカの君も、げに/\をかしき物語なりきと宣給ふ。
僕はほとんど宗教心に近い敬虔けいけんの念をもって、その顔の前にひざまずいて感謝の意を表したくなる。自然に対する僕の態度も全く同じ事だ。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
飯綱権現いいづなごんげんの社前へ一気に上って来ると、社の前に例の箱入りの名刀を供えて、二人ともかしこまって柏手かしわでを打ち、うやうやしく敬礼しました。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
声援と衆望のうちにおのおの牛へ接近して、或る者は牛の鼻さきの砂にひざまずき、または側面から銛をかざして狙っている。
葛木はなおすがる袖をお孝に預けたまま、つまずいて悶絶もんぜつした小児を抱いた。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
豊雄是を見て、只一八三あきれにあきれゐたる。武士らかけめぐりて、一八四ちかきとなりを召しあつむ。一八五をぢ一八六よねかつ男ら、恐れまどひて一八七うずすまる。
明候折衣類いるゐすその付居しを妻節が見付如何いたせしやと申され私しもおどろかんがへ然すれば昨夜河原にてつまづきしは生醉に之なく怪我人にても有しやかつ昨日金谷村法會ほふゑせきにて鼻紙入を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
妾はしばしオウギュスト・ロダン氏の墓の前にうずくまって、過去のロダンさんの妾に対する深い愛にむせび泣きました。そしてその時妾は、妾の背後にすすり泣きの声をきいたのです。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
そう云う別の台の、かがんでいる黒子の男の身体が邪魔になる法被はっぴ姿の若い者の声と
撞球室の七人 (新字新仮名) / 橋本五郎(著)
銀子は廊下のところしゃがんでいたが、内へ入って坐った。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
それは、其處そこに、はなしをする按摩あんま背後うしろて、をりからかほそむけたをんなが、衣服きものも、おびも、まさしく、歴然あり/\と、言葉通ことばどほりにうつつたためばかりではない。——
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それとても朧気おぼろげながら、彼処かしこなる本堂と、向って右のかたに唐戸一枚隔てたる夫人堂のおおいなる御廚子みずしうちに、あや几帳きちょうの蔭なりし、ひぎまずける幼きものには、すらすらと丈高う
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
情にもろい雪さんは途々みちみち泣いて泣いて眼を紅くしていた。が、春子は何も知らずに、ねんねこにくるまって眠っていた。心地よさそうに、すやすやと。