“縋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すが96.9%
0.9%
0.6%
すかり0.3%
もつ0.3%
すがり0.1%
スガ0.1%
から0.1%
こび0.1%
しが0.1%
すがっ0.1%
0.1%
とりつき0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼等が御題目を唱えていたのは、所謂苦しい時の神頼みで、御祖師様の御袖にすがって娘を取戻して貰おうという訳だったのでしょう。
黒手組 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
矢張りいて行きますと、花田はまた振り返り、苦い顔をして「乞食が乞食に縋くもんじゃない。一文にもなりやせんぞ」
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
吾等が心情は已に古物こぶつとなつた封建時代の音楽に取りがらうには余りに遠く掛け離れてしまつたし、と云つて逸散いつさんに欧洲の音楽におもむかんとすれば
黄昏の地中海 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
百樹もゝき曰、北越に遊びて牧之老人が家に在し時、老人家僕かぼくめいじて雪をこぐ形状すがたを見せらる、京水かたはらにありて此図をうつせり。穿物はくものは、○かんじきすかりなり。
この下には雑多な岩が並ぶとみえて、ちらちらちらちらと玉のすだれを百千にくだいたよう、くだん鰐鮫わにざめの巌に、すれつ、もつれつ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わたくしあなたにおすがり申していると、気楽な
お前さまにおスガりするにも、其おまへさますら、もうおいでゞない此世かも知れぬ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そのうすあまい匂いは私のどうすることもできない、樹木にでもからみつきたい若い情熱をそそり立て、悩ましい空想を駆り立ててくるのであった。
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
方眼紙にドットして行った点の軌跡きせきの曲線から発見し得た時の喜びようは、今でもこの眼にこびり付いている。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかしお父さんにしがみついているようにお母さんから内命を受けて来た以上は中座をして宿へ引取ると親不孝になるし、かつ又三輪夫人再三再四の委嘱にも副わないことになる。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それをもいとわない浅間しさで、を抱いた洋服がやっと手をすがっって乗掛のっかけた処を、鉄棒で払わぬばかり車掌の手で突離された。よろめくと帽子が飛んで、小児こどもがぎゃっと悲鳴を揚げた。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そういう相手を高倉は引きるのだ。雲斎織りの上ッぱりはかぱかぱに凍っていた。その前襟をわしづかみにしてずるずると穴にはいって行った。さかく風が粉雪をあびせかけた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
たすくる人はなくとも雪さへきえなば木根きのね岩角いはかどとりつきてなりと宿へかへらんと、雪のきゆるをのみまちわび幾日といふ日さへわすれ虚々うか/\くらししが、熊は飼犬かひいぬのやうになりてはじめて人間のたふとき事を