“取縋”の読み方と例文
読み方割合
とりすが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
取縋とりすがる松の枝の、海を分けて、種々いろいろの波の調べのかかるのも、人が縋れば根が揺れて、攀上よじのぼったあえぎもまぬに、汗をつめとうする風が絶えぬ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木片に取縋とりすがりながら少女が一人、川の中ほどを浮き沈みして流されて来る。私は大きな材木を選ぶとそれを押すようにして泳いで行った。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
おげんは意外な結果にあきれて、皆なの居るところへ急いで行って見た。そこには母親に取縋とりすがって泣顔をうずめているおさだを見た。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)