“取着”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とッつき33.3%
とッつ19.4%
とりつ13.9%
とっつ5.6%
とつつき5.6%
とツつ5.6%
とつゝき2.8%
とつき2.8%
とつつ2.8%
とつゝ2.8%
とりつき2.8%
とツつき2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「は、」と、うなずくとひとしく門を開けてすかして見る、と取着とッつきが白木の新しい格子戸、引込ひっこんで奥深く門から敷石が敷いてある。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ごうとなったのが、ちょうど九時半、ちとすぎ、かれこれ十時とも申しまして、この山の取着とッつきから海岸まで、五百に近い家が、不思議に同一おなじ時刻。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
とこわきの袋戸棚ふくろとだなに、すぐに箪笥たんす取着とりつけて、衣桁いかうつて、——さしむかひにるやうに、長火鉢ながひばちよこに、谿河たにがは景色けしき見通みとほしにゑてある。
飯坂ゆき (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それにおかねさんの思いに取着とっつかれでもしちゃ大変だ」お島はそう言いながら、自分の箪笥のなかをひっくら返していた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いまじやあもう半年はんとしつたらう、あつさの取着とつつき晩方頃ばんかたごろで、いつものやうにあそびにつて、ひと天窓あたまでゝやつたものを、業畜がふちく悪巫山戯わるふざけをして、キツ/\といて
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
むらから松並木まつなみきひとした、はら取着とツつきに、かたばかりの建場たてばがある。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
きしづたひに、いはんで後戻あともどりをて、はし取着とつゝき宿やどかへつた、——これ前刻さつきわたつて、むかごしで、山路やまみちはうへ、あのばあさんのみせはしだつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
取着とつき土塀どべい由々ゆゆしく構へて、かどには電燈を掲げたるかたにぞりける。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ぐる/\といそいでまはつて取着とつついてつてのぼる。と矢間やざまつきあかかつた。魔界まかいいろであらうとおもふ。が、猶予ためらひまもなくたゞちに三階目さんがいめのぼる……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其処そこきづだらけにつて漸々やう/\ところが、取着とつゝきで、以前いぜん夫婦ふうふづれで散歩さんぽ場所ばしよとは、全然まるで方角はうがくちがう、——御存ごぞんじのとほり、温泉をんせん左右さいう見上みあげるやうなやまひかへた、ドンぞこからきます。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
取着とりつきには持ってこいの家だがね」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
トタンにかまち取着とツつきはしらもたれた淺黄あさぎ手絡てがら此方こつち見向みむく、うらわかいのとおもてはせた。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)