“引込”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっこ59.1%
ひきこ17.0%
ひつこ11.9%
ひっこみ5.0%
ひきこみ1.9%
ひッこ1.3%
ひっこめ1.3%
ひっこん1.3%
ひきこん0.6%
ひつこん0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてもなく、わたくし住宅すまいとして、うみから二三ちょう引込ひっこんだ、小高こだかおかに、土塀どべいをめぐらした、ささやかな隠宅いんたくててくださいました。
してると、端艇たんていは、何時いつにか印度洋インドやう名高なだか大潮流だいてうりう引込ひきこまれたのであらう。わたくしなんとなくのぞみのあるやうかんじてたよ。
いへ小路せうぢ引込ひつこんで、とほりのかどに「蒲燒かばやき」といた行燈あんどうばかりあり。はややつがむやみと飛込とびこむと仕立屋したてやなりしぞ不思議ふしぎなる。
神楽坂七不思議 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
西類子にしるいこ九郎兵衛などとおなじように、武士から町人になった、いわゆる引込ひっこみ町人で、七十歳で死ぬその年の秋まで、舵場のやぐらに突っ立ち
呂宋の壺 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
及びハートシーズの四炭坑へ通ずる四つの引込ひきこみ線は本線に合する部分の軌道が取除かれおるをもって、本職はこれが探査を省けり。
帰った人は丁度くぐりを潜る所で、まず黒の山高帽がヌッと入って、続いて縞のズボンに靴の先がチラリと見えたかと思うと、渋紙色した髭面ひげつら勃然むッくり仰向あおむいたから、急いで首を引込ひッこめたけれど
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
けれども起きて洋燈ランプけようとも仕ないで、直ぐ首を引込ひっこめて又た丸くなって了った。そこへ磯吉が帰って来た。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それも何時いつ如何いかなる時でも、自由に逢える恋人なら、何の悩みも無かったでしょうが、提灯に釣鐘ほどの不釣合な相手で、平常は新御殿奥深く引込ひっこんだまま姿も見せず、偶々たまたま外へ出る時は
うにもうにも逃げようにも逃げられず、真裸体まっぱだかで座ってお辞儀も出来ず、進退きゅうして実に身の置処おきどころがない。奥さんも気の毒だと思われたのか、物をも云わず奥の方に引込ひきこん仕舞しまった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
京都へ程近ければ勿々なか/\危し何れにも片田舍かたゐなか引込ひつこんで外は工夫せんと思ひしが兎角とかく心落付ず彼是と考へ居たる中主も歸り來りければ靱負は主にむかひ當地は斯土地がらも能事ゆゑ上手なる易者えきしやあらずやと云ひければ主は點頭うなづき當所には名高なだか易者えきしやにて白水翁はくすゐおうと申ありまことに名人なりと云ひければ靱負ゆきへは大きに悦び然らば今日は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)