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引込
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ひっこみ
ふりがな文庫
“
引込
(
ひっこみ
)” の例文
西類子
(
にしるいこ
)
九郎兵衛などとおなじように、武士から町人になった、いわゆる
引込
(
ひっこみ
)
町人で、七十歳で死ぬその年の秋まで、舵場の
櫓
(
やぐら
)
に突っ立ち
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
何を苦しんでか外部の顔のために進取の気象を
奪
(
うば
)
われ、いたずらに
卑屈
(
ひくつ
)
に
引込
(
ひっこみ
)
勝ちになろう、と思えば心も晴々しくなって来る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
精米所では、東京風の
品
(
ひん
)
のいい
上
(
かみ
)
さんが、家に
引込
(
ひっこみ
)
きりで、浜屋の
後家
(
ごけ
)
に産れた主人の男の子と、自分に産れた二人の女の子供の世話をしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
自然
引込
(
ひっこみ
)
思案で、一
間
(
ま
)
にとじ
籠
(
こも
)
って本を読んでいる様な時間が多く、それも、書斎では気が散っていけないと申し、裏に建っていました土蔵の二階へ
上
(
あが
)
って
人でなしの恋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その
断崖
(
だんがい
)
から
半
(
なか
)
ば宙に乗出した危石の上につかつかと老人は駈上り、
振返
(
ふりかえ
)
って紀昌に言う。どうじゃ。この石の上で先刻の業を今一度見せてくれぬか。今更
引込
(
ひっこみ
)
もならぬ。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
こうなって来ると、何んとか見得を切らなければ花道の
引込
(
ひっこみ
)
が付かない。しかしこの場の敗北は散々の
体為
(
ていたらく
)
、いかんとも
為様
(
しよう
)
がないので、黙って引込むにしかずと考えた。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
「榊君と言えば、先生も
引込
(
ひっこみ
)
きりか……あれで、叔父さん、榊君の遊び方と私の遊び方とは
全然
(
まるっきり
)
違うんです……先生の恋には、選択は無い。非常に物慾の
壮
(
さか
)
んな人なんですネ……」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
つい/\ねえ貴方
種々
(
いろ/\
)
な事があって、申すにも申されぬことがございまして、小石川へお
引込
(
ひっこみ
)
になって、何も
彼
(
か
)
も御存じでありましょうが、此の節のお身の上、実においとしい事でございますが
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一般の健康状態はさて
措
(
お
)
き、ある局部が不良なるために
卑屈
(
ひくつ
)
となり
引込
(
ひっこみ
)
勝ちとなり、
憂欝
(
ゆううつ
)
にに沈む傾向がありはせぬか。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それが二十歳前後になると、処女も及ばぬように
引込
(
ひっこみ
)
勝ちになり、人の前に出るを
嫌
(
きら
)
い、人に顔見られるのを
怖
(
おそ
)
れた。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“引込”で始まる語句
引込思案