“怖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おそ32.8%
こわ29.7%
こは9.4%
8.1%
おそろ5.6%
2.4%
おっ2.1%
おび1.4%
おっか1.1%
おそれ0.9%
おじ0.7%
0.7%
こえ0.6%
こお0.6%
おぢ0.6%
コハ0.5%
おぞ0.4%
おそる0.2%
おつ0.2%
おつか0.2%
おど0.2%
0.2%
おと0.1%
こを0.1%
0.1%
おそろし0.1%
おっかな0.1%
おっかね0.1%
おっそ0.1%
おっそろ0.1%
おづ0.1%
こはが0.1%
こわが0.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小柄でぶくぶくした四十がらみの婦人が、おそれと驚きをつきまぜたような顔つきで、控室から広間へはいってゆくこっちの顔をまじまじと見つめる。
嫁入り支度 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
それがおそろしいので、毎年横浜や函館で、東洋人の水夫や、ボーイを雇って、北洋へ連れてき、うんとコキ使って、不用になると、帰航の途中
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
「お前さんは、死人の肉を食ったわたしをこわいと思いますか。わたしの方では、生きたお父さんのすねをかじるお前さんの方が、よっぽど怖い」
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
怖気おじけは自信力のとぼしい場合に起こることが多い。「自分はとうていこのにんえられぬ」と思えば、手を出すこともこわくなる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
こはがることはないよ、あいつらは騷ぐことが好きなんだ、——あんなにゲラゲラ笑ひ乍ら、滅茶々々に踊り狂ひ乍ら、地獄の底まで道中するんだ」
あれで瓦斯ぐわすきます、よる方々はう/″\瓦斯ぐわすきますから、少しも地獄ぢごくこはい事はございません。
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
それを聞くと、一番近くの石造の顔はびっくりして眼を見張ったように思われ、口をぽかんとけ下顎をだらりと下げて、じ恐れたように見えた。
檀家総代、世話人、寺男の一隊が、住職から小僧を交えて、グルリと本尊の大師像を取囲み、ずながら次第に深くなる夜を迎えているのでした。
あのふか山岳さんがくおくには屹度きつとなにおそろしいものがひそんでゐるに相違さうゐないとかんがへた。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
朝早く来る人がないだけに、ホテイ・ホテルの誰かなのかもしれないと、そのまゝ立つて扉を開けると、思ひがけなく伊庭がおそろしい顔をして立つてゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
だ座には着くに至らざりしの少女は、突如たる滊車きしやの動揺に「オヽ、ワ」と言ひつゝ老紳士のひざに倒れぬ、
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
それがどんなに対手をわがらせるかということを意識しながら、彼は、暗い洞穴の中からじいっと獲物を狙っている蛇の様な目つきで、野本氏を見つめたのだった。
恐ろしき錯誤 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
清「おっかねえ、女をまア、なんてエ、人を殺すったって村方むらかたの土手じゃアねえか、ウーン怖かなかんべえ、ウーンうした」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ちがうよ——」柏原は動かされるままになりながら、一言否定するのであった。「あたいはしんさいがおっかなかったんだよ」
白い壁 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
お蘭は、世の中の雑音には極めておびやすただ一人、自分だけ静な安らかなひとみを見せる野禽のどりのような四郎をいじらしく思った。
みちのく (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
職員室には、十人許りの男女——何れも穢ない扮裝みなりをした百姓達が、物におびえた樣にキョロ/\してゐる尋常科の新入生を、一人づゝ伴れて來てゐた。
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
爺「わりゃア勘太だな、まだ身持が直らず他人様ひとさまに御迷惑をかけアがるか、お女中さん何もおっかねえことアごぜいましねえ、この悪たれはわしが餓鬼」
「第一お母様なんて、大きな眼球めだましてピリピリしてるんだもの、おっかなくて誰も、寄っ付く奴なんかいませんよ」
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
散々に破壊され、狼藉され、蹂躙されし富山は、余りにこの文明的ならざる遊戯におそれをなして、ひそかあるじの居間に逃帰れるなりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「おや、何をするの」と母は手紙の断片を持ったまま、下から仰向あおむいた。眼と眼の間におそれの色が明かに読まれた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
助役は、急にサッと顔色を変えると、物におじけた様に眼を引きつけて、ガクガク顫えながら暫く口も利けなかった。が、やがて、
気狂い機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
けちをつけようと思うなら、一座の中でそんな尻ぬけたことを口走りはしない。ひょッとすると、あとの三人にもおじけづかして喰わせずにしまうかも知れねえじゃねえか。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
同時に又水瓶みずがめの中から猿が一匹おどり出し、わ十字架に近づこうとする。
誘惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一同、麦酒の酔も醒果てゝ、やゝ暫くは呆々然としてゐたが、そのうちは小半次が、
落語家温泉録 (新字旧仮名) / 正岡容(著)
よう新吉さんをけえしておくんなさいよ、新吉さんを帰しておくんなさいよと云って、己が胸を押圧おっぺしょれる時の、こええの怖くねえのって
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こええ者なんて一人だってなかったんだぜ。シルヴァーだけは別だがね。——シルヴァーはそれっくれえ気の利いた奴だったよ。
「さようでござりましょうとも——立派なお武家が、役者風情をお連れなさるのに、よほどこおうのうては、これ程のお支度はなされますまい」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
君香は、「この街が、なんや、こおうなった」といい、あどけない無心の百合香に頬ずりしながら、ぽろぽろと涙を流した。そして、
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
さらその何處どこにもかんじない微風びふう動搖どうえうして自分じぶんのみがおぢたやうにさわいでる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼かくなせるもそのいふ事なほ我をおぢしめき、こはわが彼の續かざることばに彼の思ひゐたるよりなほ惡き意義を含ませし故にやありけん 一三—一五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
人間の執心シフシンと言ふものは、コハいものとはお思ひなされぬかえ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
オ婆サンハ何ヨリモ『アグニ』ノ神ガコハイノデスカラ、ソレヲ聞ケバキツト私ヲ返スダラウト思ヒマス。ドウカ明日アシタノ朝モウ一度、オ婆サンノ所ヘ来テ下サイ。コノ計略ノ外ニハオ婆サンノ手カラ、逃ゲ出スミチハアリマセン。サヤウナラ。
アグニの神 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それは、おどろおぞましい色であり、もやであって、その物凄まじいおののきには、自分の心臓すらも、観客は見出せないほどであった。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
すると、おどろおぞましい薄ドロにつれて、下手から、こもをかぶった一枚の杉戸が流れ寄る。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
なほちからのかぎりおこさんとすれどもおもき事大石の如くにてうごかさず、こは不思議ふしぎおどろきおそるるを見て
婦人のなかには湯具ゆぐばかりなるもあれど、闇処くらきところ噪雑わやくやして一人もみだりがましき事をせず、これおの/\毘沙門天びしやもんでん神罰しんばつおそるるゆゑなり。
これは名前だけはおつかない敵役のやうですが、ヒヨロヒヨロとした青白い四十男で、劍術よりは下駄の鼻緒はなをを直したり、障子を張つたり月代さかやきを當つたりすることのうまい人間です。
おつかねえほど静かぢやねえかよ、
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
少し開けた扉が、誰の力ともなく、何時いつの間にか身體の通るだけ開くと、田舍の子供といふものは因循なもので、盜みでもする樣におつかびつくり、二寸三寸と物も言はず中に入つて行つて、交代かはりがはりに其姿見を覗く。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
少許すこし開けた扉が、誰の力ともなく、何時の間にか身体の通るだけ開くと、田舎の子供といふものは因循なもので、盗みでもする様におつかびつくり、二寸三寸と物も言はず中に入つて行つて、交代かはるがはるに其姿見を覗く。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
おどすのは罪だと思って、自分もしばらく、手摺に倚ったまま、指一本も動かさずに辛抱していたが、存外鳥の方は平気なようなので、やがて思い切って、そっと身をうしろへ引いた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なに、あいつらはそんなことにおどっかする人間ではございません。なんでもこの辺の間道ぬけみちを通って、甲州入りをしたものに違いございませんが、あいつが盲目めくらと足弱をつれて、どういう道行みちゆきをするかが見物みものでございます。
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
漢字で立心扁りっしんべんに去る(きょう)布く()芒ふ(ぼう)をつけてこわがるの意を現すもゆえありというべし。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
過去がすでにである、未来もまた怖なるべしとの予期は、自然とおのれを放射して次に出現すべきいかなる出来事をもこの怖に関連して解釈しようと試みるのは当然の事と云わねばならぬ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
よね そぎやんした風も見えんばツてん……。何か云はるツとんおとろしかつだろばツてん、今更、なんも、そぎやんびくびくするこたあなかぢやなツか。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
さと ううん、そぎやんぢやなかつなるばツてん。わしや、なんだいろ、あん人と話すとがおとろしかツだもね。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
わたしかぜこをござる。
なにがそんなにこをござる。
真下に視下みおろす議場では、居睡いねむりをしている人や、肩をからせてつかみあっている人たちがいた。
生活 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
そのおそろしさいはんかたなし。
「楼門」の優劣を論ずるものを笑ひて、「六万五千の劇通が批評眼といふおっかないものをみはつたところで、娘の子が羽子板屋の店へ立つて気迷きまよいする位なものなるべし」といひながら、御自身もこれを論ぜしは可笑し。
両座の「山門」評 (新字旧仮名) / 三木竹二(著)
早「が悪くって云えねえ、客人だから、それに真面目な人だ、おらが座敷へへいると起上って、誠に長く厄介になって、お前には分けて世話になって、はア気の毒だなんて、中々おさむらえさんの娘だけにおっかねえように、凛々りゝしい人だよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こんな、おっそろしい毛虫、私は、おっかなくって、とても取られせん。服をお脱ぎなせえ。」
熊の出る開墾地 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
おっそろしく散らかしたもんだな。——して、その危篤の女はどこにかくしてあるんだね?」
黒猫十三 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
おづおづと吹きいづる………たま石鹸しやぼんよ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こはがってござるおまへみゝきこえたは雲雀ひばりではなうてナイチンゲールであったもの。
また伊兵衞という番頭は若草の叔母を突出つきだしたので、一層心のうちこわがって居りますると、二階から毛が落ちて来たから手に取上げて見ると、ねば/\と血が附いて居たなどというは