“動搖”のいろいろな読み方と例文
新字:動揺
読み方割合
どよ38.2%
どうえう26.5%
どうよう8.8%
ゆるぎ5.9%
2.9%
ゆさぶり2.9%
ゆす2.9%
ゆらめ2.9%
ゆらめき2.9%
ゆる2.9%
ゆれ2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、云ふとドツと一時に動搖どよめいて一崩れ、ばたばたと男の後を追うて、津浪が押し寄せた樣、逸早く合點した連中は、聲を擧げて突貫した。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
さらその何處どこにもかんじない微風びふう動搖どうえうして自分じぶんのみがおぢたやうにさわいでる。なにさわぐのかといぶかるやうにすこ俯目ふしめおろしてる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そのとき中内工学士なかうちこうがくし顔色かおいろがかすかに動搖どうようしたのを、警部けいぶはすばやくがついていた。それらの電気でんきメッキでは、青酸加里せいさんかり溶液ようえき使用しようされる。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
先刻せんこくまではきはめて動搖ゆるぎ平穩おだやかであつた弦月丸げんげつまる何時いつにか甲板かんぱんかたむくばかりはげしき動搖ゆるぎかんじてるのであつた。
二人はウ※トクロスからの動搖れ通しの長い馬車に、筋ばつてゐた、寒い夜氣やきに冷えきつてゐた。しかし二人の樂しげな面差は、明るい火に照らされて、輝かしさを増した。
さうしてしばらくしてはまたせいうしろへぐつともどつて身體からだよこ動搖ゆさぶりながらわら私語さゞめくやうにざわ/\とる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
唯、前の方へ突進する馬車と……時々馬丁べつたうの吹き鳴らす喇叭らつぱと馬を勵ます聲と……激しく動搖ゆすれる私達の身體とがあるばかりでした。
まげにはあぶらつて上手じやうずけた金房きんぶさすこしざらりとして動搖ゆらめいた。巫女くちよせ漸次ぜんじうてくうちに
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あゝ、解き得ない謎、聞き分けられぬ囁き、定まらぬ色の動搖ゆらめき、形なき言葉の影———何たる悶えであらう。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
「ガーフ」になつかしき帝國ていこく軍艦旗ぐんかんきひるがへせるかの白色はくしよく巡洋艦じゆんやうかんは、此邊このへん海底かいていふかくして、いかりたうずることもかなはねば、あだか小山こやま動搖ゆるぐがごとく、みぎひだり漂蕩へうたうしてる。
其驛から巴里の良人をつとと莫斯科の石田氏とへ電報を出した。動搖ゆれの烈しい汽車も馴れては此以外に自身の世界が無い樣な氣がして、朝は森に啼いて居る小鳥の聲も長閑のどかに聞くのである。
巴里まで (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)