動搖どよ)” の例文
新字:動揺
と、云ふとドツと一時に動搖どよめいて一崩れ、ばたばたと男の後を追うて、津浪が押し寄せた樣、逸早く合點した連中は、聲を擧げて突貫した。
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
大佐たいさきた! 大佐たいさきたる! 櫻木大佐さくらぎたいさ電光艇でんくわうていきたる※。』とさけひゞき砲聲ほうせい絶間たえま全艦ぜんかんわたると、軍艦ぐんかん」の士官しくわん水兵すいへい一時いちじ動搖どよめき。
あけよ/\と制しけるゆゑ人々動搖どよめき合て片寄かたよらんとする時彼の文右衞門が女房お政は具足櫃ぐそくびつ脊負せおひ差替さしがへの大小等を引抱ひきかゝへし事なれば女の力にては人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
渦卷く焔と煙の中に、死の苦鬪を續くる東海坊の淺ましい姿を眺めて、動きもならず動搖どよみ打つのです。
さときぬを裂くが如き四絃一撥の琴の音にれて、繁絃急管のしらべ洋々として響き亙れば、堂上堂下にはか動搖どよめきて、『あれこそは隱れもなき四位の少將殿よ』、『して此方こなたなる壯年わかうどは』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
先には彼を見しばかり猶全軍は動搖どよめきぬ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
と、四五人しごにん口々くち/″\動搖どよつ。
画の裡 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
群衆は動搖どよみを打ちました。黒船町の利三郎の話が、思ひの外に根強いりどころを持つて居たのです。
動搖どよめく彌次馬。それを掻きわけて靜かに入つて來たのは、四十前後の立派な浪人者でした。
水の上はたゞならぬ騷ぎ、沸き立つ興奮にかき立てられて、橋の群衆も動搖どよみを打ちます。
小屋を埋むる客は、この刺戟的な情景シーン動搖どよみを打ちました。
竹矢來を圍む數千の群衆は、ドツと動搖どよみを打ちました。
動搖どよみ打つ群衆の中へ、サツと飛び込むのです。