“動揺”のいろいろな読み方と例文
旧字:動搖
読み方割合
どよ46.7%
どうよう16.3%
どよめき9.8%
ゆすぶ4.3%
うご2.2%
ぐらつ2.2%
どよみ2.2%
どよめ2.2%
なだれ2.2%
ゆらめ2.2%
ゆるぎ2.2%
ゆれ2.2%
いぶり1.1%
うごき1.1%
ごたごた1.1%
どうえう1.1%
ゆら1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
動揺どよめき立ち、それと共に、敵の馬印、金御幣も、った奪った、と揉み合うばかり喊呼かんこしてやまなかったが、ここで、困る問題は
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……そんな私の心のなかの動揺どうようには気づこうはずがなく、彼女は急に早足になった私のあとから、何んだか怪訝けげんそうについて来ながら
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
といってる時、公園の入口の方でワアッというただならぬ動揺どよめきが起ったと思う間もなく、夥しい人波がドッと池の方へ押返されて来た。
魔都 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
もっと平岡を動揺ゆすぶる事が出来た。もっと彼の肺腑はいふる事が出来た。に違ない。その代り遣り損えば、三千代に迷惑がかかって来る。平岡と喧嘩けんかになる。かも知れない。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
戸があく、土間がごった返す、炉辺がにわかに動揺うごめいてきました。十余人が一時に侵入して来たのです。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
竹翁の昔より続いた橋本の家が一夜のうちに基礎どだいからして動揺ぐらついて来たことや、子がそれをこわさずに親が壊そうとしたことや
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わ、と立騒ぐ群集ぐんじゅの中へ、丸官の影は揉込もみこまれた。一人かれのみならず、もの見高く、推掛おしかかった両側の千人は、一斉に動揺どよみを立て、悲鳴を揚げて、泣く、叫ぶ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一斉いっとき動揺どよめいて、都大路を八方へあふれる時、揚出しの鍋は百人の湯気を立て、隣近となりぢかな汁粉屋、その氷月の小座敷には、閨秀二人が、雪も消えて、衣紋えもんも、つまも、春の色にややけたであろう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
群集は波をんで動揺なだれを打った。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
鼠がまた突如だしぬけに天井裏を走る。風はまだ吹き止まない。つるしランプの火は絶えず動揺ゆらめく。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これでこそ深沈な研究とあまねき同情との上に立脚して動揺ゆるぎの無い確かな最新の芸術が沸き出るのだとうなづかれる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
丁度ちょうど上方辺かみがたへん大地震おおじしんのとき、私は先生家の息子に漢書の素読そどくをしてやった跡で、表の井戸端で水をんで、大きな荷桶にないかついで一足ひとあし跡出ふみだすその途端にガタ/″\と動揺ゆれて足がすべ
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
巌路いわみちへ踏みはだかるように足を拡げ、タタと総身に動揺いぶりれて、大きな蟹が竜宮の女房を胸に抱いて逆落しの滝に乗るように、ずずずずずと下りてく。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ふしづく動揺うごきふるひの中なる
それは困ったろうネ、私の方へも為替かわせが来なく成った。ああ御金の送れないところを見ると、国でも動揺ごたごたしてるわい……しかしネ、豊世、ここで家の整理が付きさえすれば、お前を
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
流るる血しほ黒煙くろけぶ動揺どうえうしつつ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さしもに猛き黄金丸も、人間ひと牙向はむかふこともならねば、ぢつと無念をおさゆれど、くやし涙に地は掘れて、悶踏あしずりに木も動揺ゆらぐめり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)