“動揺”のいろいろな読み方と例文
旧字:動搖
読み方(ふりがな)割合
どよ44.0%
どうよう17.9%
どよめき10.7%
ゆすぶ3.6%
うご2.4%
ぐらつ2.4%
どよみ2.4%
どよめ2.4%
なだれ2.4%
ゆらめ2.4%
(他:8)9.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“動揺”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
団子坂へ行く者かえる者が茲処ここで落合うので、処々に人影ひとかげが見える、若い女の笑い動揺どよめく声も聞える。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
汽車の動揺どよみに留南奇とめきが散って、友染の花の乱るるのを、夫人は幾度いくたびも引かさね、引かさねするのであった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いつのにか戸はしまっているではないか、いまの列車の動揺どうようのために、ひとりでにしまったのに相違そういない。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
それに拍車はくしゃをかけたのが、道江の来訪と、それにつづく恭一との手紙のやりとりの間に感じた心の動揺どうようであった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
そとのものゝ気勢けはひ動揺どよめきつくるがごとく、ぐら/\といへゆらめいた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一人やなんぞ、気にもしないで、父子おやこは澄まして、ひとの我に対する表敬の動揺どよめきを待って、傲然ごうぜんとしていた。
巡礼は泣き出した児を動揺ゆすぶって、暮方の秋の空をながめ眺め行きました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もつと平岡を動揺ゆすぶる事が出来た。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
戸があく、土間がごった返す、炉辺がにわかに動揺うごめいてきました。十余人が一時に侵入して来たのです。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
了海は「おう」と、全身を震わせるような名状しがたき叫び声を上げたかと思うと、それにつづいて、狂したかと思われるような歓喜の泣笑が、洞窟をものすごく動揺うごめかしたのである。
恩讐の彼方に (新字新仮名) / 菊池寛(著)
私はそんなことを聞いてから、お宮という奴はよっぽど浮気な、しょっちゅう心の動揺ぐらついている売女だと、ちょっと厭あになったが、それでもやっぱりめられなかった。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
竹翁の昔より続いた橋本の家が一夜のうちに基礎どだいからして動揺ぐらついて来たことや、子がそれをこわさずに親が壊そうとしたことや、何時の間にか自分までこの世に最も頼りのすくない女の仲間入をしかけていることなどは、全くお種の思いもよらないことばかりで有った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一人かれのみならず、もの見高く、推掛おしかかった両側の千人は、一斉に動揺どよみを立て、悲鳴を揚げて、泣く、叫ぶ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蛙、蛙、蛙、蛙、蛙と書いた文字に、一ツ一ツ音があって、天地あめつちに響くがごとく、はた古戦場を記した文に、ことごと調しらべがあって、章と句とひとしく声を放って鳴くがごとく、何となく雲が出て、白く移り行くに従うて、動揺どよみを造って、国が暗くなる気勢けはいがする。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
幽霊などと動揺どよめきしがようやくに静まりて、彼方あなたへ連れ行き介抱せんと、いざない行きしを聞澄まし、縁の下よりぬっと出で蚊を払いつつ渋面つくり、下枝ならむには一大事、とくと見届けてせむ様あり、と裏手の方の墓原へひそかに忍び行きたりける。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
上野の山も、広小路にも、人と車と、一斉いっとき動揺どよめいて、都大路を八方へあふれる時、揚出しの鍋は百人の湯気を立て、隣近となりぢかな汁粉屋、その氷月の小座敷には、閨秀二人が、雪も消えて、衣紋えもんも、つまも、春の色にややけたであろう。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
群集は波をんで動揺なだれを打った。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
群集は波をんで動揺なだれを打つた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
つるしランプの火は絶えず動揺ゆらめく。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
つるしランプの火は絶えず動揺ゆらめく。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これでこそ深沈な研究とあまねき同情との上に立脚して動揺ゆるぎの無い確かな最新の芸術が沸き出るのだとうなづかれる。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
空一面に渋い顔を開いて、遙かに遙かに地球の表面おもてを圧して居る灰色の雲の下には、圧せられてたまるものかと云はぬ許りに、劫初ごふしよまま碧海あをうみが、底知れぬ胸の動揺ゆるぎの浪をあげて居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
動揺ゆれはげしい汽車も馴れてはこの以外に自身の世界が無い様な気がして、朝は森にいて居る小鳥の声も長閑のどかに聞くのである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
丁度ちょうど上方辺かみがたへん大地震おおじしんのとき、私は先生家の息子に漢書の素読そどくをしてやった跡で、表の井戸端で水をんで、大きな荷桶にないかついで一足ひとあし跡出ふみだすその途端にガタ/″\と動揺ゆれて足がすべり、誠に危ない事がありました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
巌路いわみちへ踏みはだかるように足を拡げ、タタと総身に動揺いぶりれて、大きな蟹が竜宮の女房を胸に抱いて逆落しの滝に乗るように、ずずずずずと下りてく。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それは困ったろうネ、私の方へも為替かわせが来なく成った。ああ御金の送れないところを見ると、国でも動揺ごたごたしてるわい……しかしネ、豊世、ここで家の整理が付きさえすれば、お前を正太しょうたが困らすようなことは無いぞや……」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
流るる血しほ黒煙くろけぶ動揺どうえうしつつ、
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さしもに猛き黄金丸も、人間ひと牙向はむかふこともならねば、ぢつと無念をおさゆれど、くやし涙に地は掘れて、悶踏あしずりに木も動揺ゆらぐめり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)