天の灝気の薄明に優しく会釈をしようとして、 命の脈が又新しく活溌に打っている。 こら。下界。お前はゆうべも職を曠うしなかった。 そしてけさ疲が直って、己の足の下で息をしている。 もう快楽を以て己を取り巻きはじめる。 断えず最高の存在へと志ざ …
著者 | 堀辰雄 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 序曲「大阪朝日新聞」(「山からの手紙」の表題で。)1933(昭和8)年6月25日、美しい村「改造」1933(昭和8)年10月号、夏「文藝春秋」1933(昭和8) |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約1時間26分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約2時間23分(300文字/分) |