“見透”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みとお34.6%
みすか26.8%
みす16.3%
みとほ13.1%
みえす3.9%
みとおし2.0%
みとほし1.3%
すとほ0.7%
みとう0.7%
ヴィスタ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
横に公園へ上る坂は、見透みとおしになっていたから、涼傘のままスッと鳥居から抜けると、紫玉の姿は色のまま鳥居の柱に映って通る。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四人は店口に肩をならべ合って、暗い外を見透みすかしていた。向うの塩煎餅屋しおせんべいやの軒明りが、暗い広い街の片側に淋しい光を投げていた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
するさへ邪魔なのに、その家の内部まで見透みすかしたやうなことを言ひふらすのはけしからん……。警察で取りしまつて貰はなければならん。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「その騷ぎの中で、達者な女が一人殺されて、念入に往來から見透みとほしの欄干に、暮の鹽鮭のやうに逆樣に吊されて居たといふぢやないか」
が、初めの五分も見れば、それがどういうプロセスで、どうなってゆくか、ということがすぐ見透みえすく写真ばかりでは救われないと思った。
雪の夜 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
また、誰が見ないまでも、本堂からは、門をうろ抜けの見透みとおし一筋、お宮様でないのがまだしも、鏡があると、歴然ありありともう映ろう。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見透みとほしうら小庭こにはもなく、すぐ隣屋となり物置ものおきで、此處こゝにも犇々ひし/\材木ざいもく建重たてかさねてあるから、薄暗うすぐらなかに、鮮麗あざやかその淺黄あさぎ手絡てがら片頬かたほしろいのとが、拭込ふきこむだはしらうつつて、トると露草つゆぐさいたやうで
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ガタビシする入口の戸を開けると、其処から見透すとほしの台所の炉辺ろばたに、薄暗く火屋ほやの曇つた、紙笠の破れた三分心の吊洋燈つりらんぷもとで、物思はし気に悄然しよんぼりと坐つて裁縫しごとをしてゐたお利代は
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
案内をふ迄もなく、破れた障子から中は見透みとうし、大病人らしい父親を看護して居た若い娘が、客の姿を見ると、いそ/\と起つて格子を開けてくれました。
入口の小公園めいた噴水のところから、明るく並んだテラスと窓々の見透ヴィスタし図を撮った写真のエハガキだった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)