“塩煎餅屋”の読み方と例文
旧字:鹽煎餠屋
読み方割合
しおせんべいや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四人は店口に肩をならべ合って、暗い外を見透みすかしていた。向うの塩煎餅屋しおせんべいやの軒明りが、暗い広い街の片側に淋しい光を投げていた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
この口入宿の隣家となりは、小さな塩煎餅屋しおせんべいやで、合角あいかど花簪はなかんざしを内職にする表長屋との間に露地がある。そこを入ると突当つきあたりが黒板塀。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
谷中の狭い町の両側に倒れかかった家もあった。塩煎餅屋しおせんべいやの取散らされた店先に烈日の光がさしていたのが心を引いた。
震災日記より (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)