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塩煎餅屋
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しおせんべいや
ふりがな文庫
“
塩煎餅屋
(
しおせんべいや
)” の例文
旧字:
鹽煎餠屋
四人は店口に肩をならべ合って、暗い外を
見透
(
みすか
)
していた。向うの
塩煎餅屋
(
しおせんべいや
)
の軒明りが、暗い広い街の片側に淋しい光を投げていた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
この口入宿の
隣家
(
となり
)
は、小さな
塩煎餅屋
(
しおせんべいや
)
で、
合角
(
あいかど
)
の
花簪
(
はなかんざし
)
を内職にする表長屋との間に露地がある。そこを入ると
突当
(
つきあたり
)
が黒板塀。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
谷中の狭い町の両側に倒れかかった家もあった。
塩煎餅屋
(
しおせんべいや
)
の取散らされた店先に烈日の光がさしていたのが心を引いた。
震災日記より
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
喜
(
き
)
いちゃんは、これがために
滅多
(
めった
)
に表へ出て遊んだ事がない。もっとも近所はあまり上等でない。前に
塩煎餅屋
(
しおせんべいや
)
がある。その隣に
瓦師
(
かわらし
)
がある。少し先へ行くと
下駄
(
げた
)
の歯入と、
鋳
(
い
)
かけ
錠前直
(
じょうまえなお
)
しがある。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蕎麦屋
(
そばや
)
も荒物屋も、向うの
塩煎餅屋
(
しおせんべいや
)
の
店頭
(
みせさき
)
に孫を膝に載せて坐っている耳の遠い
爺
(
じい
)
さんの姿も、何となくなつかしかった。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
こういうものの並んでいる間に散点してまた実に昔のままの日本を代表する
塩煎餅屋
(
しおせんべいや
)
や袋物屋や芸者屋の立派に生存しているのもやはり印画記録の価値が充分にある。
カメラをさげて
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
机を
据
(
す
)
えたのは、玄関横の往来に面した陰気な四畳半であった。向うには、この新開の町へ来てこのごろ開いた小さい酒屋、
塩煎餅屋
(
しおせんべいや
)
などがあった。筋向いには古くからやっている機械
鍛冶
(
かじ
)
もあった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
塩
常用漢字
小4
部首:⼟
13画
煎
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
餅
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“塩煎餅”で始まる語句
塩煎餅