“爺”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
じい39.5%
じじい10.9%
おやじ9.2%
ぢい7.7%
じじ5.6%
とっ4.8%
おやぢ4.1%
3.5%
とつ3.5%
をぢ1.5%
(他:59)9.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“爺”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語36.5%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸30.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語12.5%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
わたくしはいつしかこの神様かみさまを『おじいさま』とお申上もうしあげるようになってしまいました。
車から降りるのを見ていたと見えて、家主が出て来て案内をする。渋紙しぶがみ色の顔をした、しなびたじいさんである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼女は癇癪かんしゃくを起こして、彼女のいわゆる「この気違いじじい」に一言の断わりもせずに、二度と姿を見せなかった。
糸織いとおりの羽織に雪駄せったばきの商人が臘虎らっこ襟巻えりまきしたあから顔の連れなるじじいを顧みた。
深川の唄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
作「與助おやじなんざアヒョロ/\してるから川の中へほっぽり込んでしまうがそれも矢張やっぱり金づくだがね」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
玄関で靴を脱いで足袋跣足たびはだしになって、おやじに知れないように廊下を通って、自分の部屋へ這入って寝てしまう。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ぢいさんの指さす方を見ると、店のすみの方に、たんとはなかつたけれど、うす皮の真赤に熟した柿が山盛にしてあつた。
お母さんの思ひ出 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
田舍ゐなかぢいばあ如何いかにをかしきことひて、何處いづこ野山のやま如何いかにひろく
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
といいかけて、かむとしたる、山番のじじはわれらが庵を五六町隔てたる山寺の下に、小屋かけてただ一人住みたるなり。
清心庵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おじじよ、お爺よ、何刻なんどきもこの世に居らぬものを、なにをのどかに暇どっていなさる……早う、お斎の仕度をせんけれゃ」
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
——ここへ来る途中で俄盲目にわかめくらとっさんに逢って、おなじような目の悪い父親があると言って泣いたじゃないか。
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あれいけねえ、おとっつぁんだぜ」「いえ、あんな年寄りが、熊と相撲を取るのかね」「やめなよ爺つぁんあぶねえあぶねえ!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
案内者ガイドのメラデイインおやぢが望むまゝに滿谷等は彼を写生し、三浦工学士と僕とは彼の手帳へ証明を与へてやつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
「カアネギーのおやぢめ、肉饅頭を半分食つただけで、すつかり新時代の資本家になりすましてしまつた。」つて——。
あにい、そのまま上へ積まっしゃい、と早や二人して、嘉吉めが天窓あたまと足を、引立てるではござりませぬか。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四月五日に、まだ壁が乾き切らぬと云うのに、果して見知らぬいさんが小さい荷物を持って、宮重方にいて、すぐに隠居所に這入った。
じいさんばあさん (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「ハイ、皆んな申上げます。あれは私の兄と申して居りますが、本當はとつさんの一人ツ子で、私は養ひ娘ださうで御座います」
とつさん、俺は御用聞には相違ないが、此邊は柴井町の友次郎兄哥の繩張りだから、今日はそんな用事で來たんぢやねえ」
漆は、漆はや、あやかし、こは子らよ生物いきもの、かく言ひて一つかへし、二つかへし、たらりとよ、つるりとよ、をぢは見てゐつ、春の日永を。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
曼陀羅まんだらをぢびたる蓮の実は黄蕋きしべさがりてよきまとひ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おんこ彫るおぢのアイヌがあぐらゐをい寄り見て立つさぶし和人しやも
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
禿頭の忠太おぢと共に、お定の家の前を通つた事もあつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ぢゞ茶屋ぢややは、おきなひとりて、燒酎せうちうあぶら蚊遣かやりるゐひさぐ、ゆゑふ。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「モルラ」といふたはぶれせんと集ひたりし男ども、道に遊び居たりし童等は、早くこれを見付けて、見よ人々、猶太のぢゞこそ來ぬれと叫びぬ。
ダンリ中尉は少しあせつて来た。「このぢぢいめ、なか/\のやつだ。しかし今度は真似まねができまい。」
風変りな決闘 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
自分は実際、この計算と来ると、吝嗇しみつたれな金持のぢぢいが己の財産を勘定して見る時の様に、ニコ/\ものでは兎てもれないのである。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
猪熊いのくまおじは、この問答を聞くと、ある予期と恐怖とに襲われて、からだじゅうが一時に凍るような心もちがした。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
猪熊いのくまおじは、相手の心を見通したのか、またひとしきりはね起きようとして、すまいながら、必死になって、わめき立てた。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
長い年月としつき——さうして過した長い年月としつきを、この墓守のぢゝは、一人さびしく草をつて掃除してたのだ。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
釣師つりしはいづれも木像のやうに黙つてゐるし、甘酒屋あまざけやぢゝ居眠ゐねむりしてゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「落ち穂ぐれえったって。——そんより、医者さでも掛かるようになったら、なんぼ損だかわかんねえべちゃ、じんつあんはあ!」
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
じんつあん。そんな無理なごとしねえで、少し休んだらよがあめんがな?」と長作は、やや語調を強めて言った。
山茶花 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
村役人を連れて帰つたいさんが、其夜そのようちに死骸を見付けて、二十二日に領主稲葉丹後守たんごのかみに届けた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
しかし平八郎の言ふことは、年来暗示あんじのやうに此いさんの心の上に働く習慣になつてゐるので、ことわることは所詮しよせん出来ない。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「大丈夫しくじりっこはねえ。」と長髪の方は言った。「っつぁんの小馬車に馬をつけとくんだから。」
 「いや、お年寄りの怒るのも無理ァねえ。っつあん、夜中突然に御邪魔して本当に済まなかった。あっしは清水港の次郎長って、けちな野郎で御座います」
森の石松 (新字新仮名) / 山中貞雄(著)
「それよりもおっさん、今の女を知ってるかい」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
藤堂とうどおっさん、早く出ないか
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
これがまた二度めの半病床はんどやと来てつことが出来ませんで、此処のじゝいばゝあに厄介になって居りますると、先の又九郎夫婦が誠に親切に二人の看病をして呉れ、その親切が有難いと思ってやゝ半年も此処に居りまして、ようやく二人の病気がなおると
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かめ「どうもねえおえい間抜じゃないか、丹三たんざさんへ送る手紙を無暗むやみ守子もりっこなどを頼む奴があるものか、いけねえよ、そうしてじゝいに拾われ困った事をした、なんぼ年がいかないからといって、さわ/\ばかりして居るよ、気が利かないじゃアないか、多助が帰らないうち丹三さんをお寝かし申しな」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
末爺すゑぢぢ、三代に仕へて老ゆる大きぢぢよく馬描きぬ。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それから高一は、口の中で、「奥の山のぢぢばばア、金太の目へゴミが入つた、貝殻杓子かひがらじやくしすくうてくれ!」と唱へて、ひきはたけた赤い目の中を、不意にプウッと強く吹きました。
栗ひろひ週間 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
いけどしぢゞいが、女色いろまよふとおもはつしやるな。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
八五郎につれて來られたのは、五十前後のへさうも無いぢゞいでした。
「ズバリと見抜いてしまやアがった。全体どういうおじいだろう? 謎のような事を云やアがった。俺の住居は雲州の庭だ。からきしこれじゃア見当がつかねえ。雲州の庭? 雲州の庭? どうも見当がつかねえなあ。……」
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
頭掻きつゝ山木の困却の態に、侯爵は愈々興を催ふしつ「何程なんぼ花婿が放蕩はうたうして、大切だいじな娘が泣きをつても、苦情を申入れる権利があるまい、ハヽヽヽヽ山木、君の様なおやち機嫌きげん取つて日蔭の花で暮らさせるは、ぽん子の為めに可哀さうでならぬぢや」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
鐘楼の中、墓地の間などを荒し廻っているところを寺のじいやにでも見つかろうものなら
三つの挿話 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
お年寄りのコオル王は愉快なおじっさ
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
愉快なおじっさ
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
と云われこの時は永禪和尚もこれは隠悪ぼくれたわい、もう是れまでと思ってじゞばゞあを切殺して逃げるよりほかはないと、道中差どうちゅうざし胴金どうがねを膝の元へ引寄せて半身構えに成って坐り、居合いあいで抜く了簡、つかへ手をかけ身構える。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
又「なに、いゝや、旦那の御退屈しのぎだ、じゞいばゞあの昔話だからいやらしい事も何もねえじゃねえか」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さてお話二つに分れまして、丁度此の年越中の国射水郡高岡の大工町、宗円寺といふ禅宗寺の和尚は年六十六歳になる信実なお方で、萬助というじゞいを呼びにります。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ともじッさまがいわっしゃるとの、馬鹿いわっしゃい、ほんとうに寒気がするだッて、千太は天窓あたまから褞袍どてらかぶってころげた達磨だるまよ。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「百も承知だ。待っていたんだからな。そこで早速秀郎の野郎に例の鼓を打たせたのさ。アッハハハ、いい気味だった。あの鼓を聞いた時の玻璃窓のだんなの顔といったら、今思い出しても腹がよじれる。いいみせしめっていうやつさな」さもおかしいというように、り上げ揺り上げ笑ったものである。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)