ぢぢい)” の例文
真紅まつかな奴が枝も裂けさうになツてるのへ、真先に僕が木登りして、漸々やうやう手が林檎に届く所まで登ツた時、「誰だ」ツてノソノソ出て来たのは、そら、あの畑番の六助ぢぢいだよ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「このぢぢいめ、なか/\のやつだ。しかし今度は真似まねができまい。」
風変りな決闘 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
踊らしめさるゝ、踊らしめさるゝ、ノエルぢぢいの音に合せて!
「五十一、もうぢぢいですわね」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
自分は実際、この計算と来ると、吝嗇しみつたれな金持のぢぢいが己の財産を勘定して見る時の様に、ニコ/\ものでは兎てもれないのである。極楽から地獄! この永劫の宣告を下したものは誰か、抑々誰か。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)