“爺様”のいろいろな読み方と例文
旧字:爺樣
読み方割合
じいさま34.4%
じいさん21.9%
じんつぁま12.5%
じさま6.3%
ぢいさん6.3%
じいつぁま3.1%
ぢいさま3.1%
とっさま3.1%
とつさま3.1%
とつさん3.1%
とッさま3.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「むむ、じゃ何だ、腰に鈴をつけてけまわるだ、帰ったら一番、爺様じいさまと相談すべいか、だって、おあしにゃならねえとよ。」
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
突然いきなり爺様じいさんの背中へつかまると、手水鉢のわきに、南天の実の撓々たわたわと、霜に伏さった冷い緋鹿子ひがのこ真白まっしろ小腕こがいなで、どんつくの肩をたたくじゃないか。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
爺様じんつぁま継母おがさんは、(家のごどは考えねで、自分ばり楽するごと考えでる)って言うげっとも、俺は稼いだって大したごとも出来ねえから、何が外のごって……」
緑の芽 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
足をおさえた片手をうしろへ、腰の両提ふたつさげの中をちゃらちゃらさせて、爺様じさま頼んます、鎮守ちんじゅ祭礼まつりを見に、頼まれた和郎わろじゃ、と言うと、船を寄せた老人としよりの腰は
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はい唯今たゞいまあの爺様ぢいさんが、やうまをしましたやうにぞんじますが、夫人おくさまでございますか。)
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ほう、線路工夫! ——市平君でもいれば、梅三爺様じいつぁまも、随分助かるのにな。」
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
生れは何でも越後ゑちごの者だといふ事だが、其処に住んだのは、七八年前の事で、始めはその父親らしい腰の曲つた顔のくすぶつたきたならしい爺様ぢいさまも居つた相だが、それは間もなく死んで
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
送らんでいというに何故そうだかなア、われア死んだ爺様とっさまの時分から随分世話も焼かしたがうちの用も能く働いたから、なんぞ呉れえと思うけれども何もえだ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「家でごすか、余程あれの為めに金のう打遣ぶつつかつたでがすが爺様とつさままだ確乎しつかりして御座らつしやるし、廿年前までは村一番の大尽だつたで、まだえらく落魄おちぶれねえで暮して御座るだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
爺様とつさんぞ無念だつたべい。このかたきア、おらア、屹度きつと取つて遣るだアから」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「それエ定めし心配していさッしゃろう、これエ爺様とッさまよう、ちょッくら往ッて見て来て上げさッせいな」
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)