“落魄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
らくはく60.9%
おちぶ27.3%
おちぶれ9.1%
らくたく0.9%
うらぶ0.9%
らくばく0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何でも睾丸きんたまにシラミが湧いたから剃るのだ……といったような事を話していたから、余程、落魄らくはくして帰って来たものであったらしい。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)
源も万更まんざらあわれみを知らん男でもない。いや、大知りで、随分落魄おちぶれた友人を助けたことも有るし、難渋した旅人に恵んでやった例もある。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
人品ひとがらくって、やせっこけて、心配のありそうな、身分のある人が落魄おちぶれたらしい、こういう顔色かおつきの男には、得て奇妙な履歴があるものです。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しほは落魄らくたくして江戸に来て、木挽町こびきちょうの芸者になり、ちとの財を得て業をめ、新堀しんぼりに住んでいたそうである。榛軒が娶ったのはこの時の事である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
国の興亡こうぼうとはこんなにももろいものであったかと痛感しながら、落魄うらぶれた身を一変した世のちまたにさまよわせていた。
人間山水図巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あゝ孤獨こどく落魄らくばくこれが僕の運命うんめいだ。僕見たいなものが家庭を組織そしきしたら何うだらう。つまにはなげきをには悲しみをあたへるばかりだ。
虚弱 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)