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落魄
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おちぶれ
ふりがな文庫
“
落魄
(
おちぶれ
)” の例文
人品
(
ひとがら
)
が
好
(
よ
)
くって、
痩
(
やせ
)
っこけて、心配のありそうな、身分のある人が
落魄
(
おちぶれ
)
たらしい、こういう
顔色
(
かおつき
)
の男には、得て奇妙な履歴があるものです。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして些と娘の方を見て、「ですから私等も、
一
(
ひ
)
とつ頃は
可成
(
かなり
)
に暮してゐたものなんですが、此う
落魄
(
おちぶれ
)
ちや
糞
(
くそ
)
ですね。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
一人並
(
いちにんなみ
)
の
男
(
をとこ
)
になりながら
何
(
なん
)
の
腑甲斐
(
ふがひ
)
ない
車夫
(
しやふ
)
風情
(
ふぜい
)
にまで
落魄
(
おちぶれ
)
ずともの
事
(
こと
)
外
(
ほか
)
に
仕樣
(
しやう
)
のあらうものを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「家でごすか、余程あれの為めに金のう
打遣
(
ぶつつか
)
つたでがすが
爺様
(
とつさま
)
まだ
確乎
(
しつかり
)
して御座らつしやるし、廿年前までは村一番の大尽だつたで、まだえらく
落魄
(
おちぶれ
)
ねえで暮して御座るだ」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「花の都も」と歌いすすむと、見る見る涙が女の頬を伝いまして、
落魄
(
おちぶれ
)
た袖にかかりました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
池田家の譜代として、
歴乎
(
れっき
)
とした家禄のついていた家がらをつぶし、姫路の藩地からこのように流浪三界の
落魄
(
おちぶれ
)
の身となり終ったのも、元はといえば、女のためではないか。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
落魄
(
おちぶれ
)
男爵の娘から、こんなレストランの踊り子にかわった妾の身の上話を、シンカラ同情して聞いてくれたり、お料理やお菓子を色々取ったり、お酒をいくらでも飲んでくれたり
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
着古しの
平常衣
(
ふだんぎ
)
一つ、何の
焼
(
たき
)
かけの
霊香
(
れいきょう
)
薫ずべきか、泣き寄りの
親身
(
しんみ
)
に一人の
弟
(
おとと
)
は、有っても無きに
劣
(
おと
)
る
賭博
(
ばくち
)
好き酒好き、
落魄
(
おちぶれ
)
て相談相手になるべきならねば頼むは親切な
雇婆
(
やといばば
)
計
(
ばか
)
り
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
色
蒼
(
あお
)
く
垢
(
あか
)
じみて、筋で
繋
(
つな
)
いだばかりげっそり肩の痩せた手に、これだけは脚より太い、しっかりした、竹の杖を
支
(
つ
)
いたが、さまで
容子
(
ようす
)
の
賤
(
いや
)
しくない
落魄
(
おちぶれ
)
らしい
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
熟々
(
しみじみ
)
奥様があの巡礼の口唇を見つめて
美
(
い
)
い声に聞惚れた御様子から、
根彫葉刻
(
ねほりはほり
)
御尋ねなすった御話の
前後
(
あとさき
)
を考えれば、あんな
落魄
(
おちぶれ
)
た女をすら、まだしもと御
羨
(
うらや
)
みなさる程に御思召すのでした。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「
夫人
(
おくさま
)
、こりゃ是非お助け遊ばせ、きっといい人の
落魄
(
おちぶれ
)
たんです。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“落魄”の意味
《名詞》
落ちぶれること。零落
(出典:Wiktionary)
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
魄
漢検1級
部首:⿁
15画
“落魄”で始まる語句
落魄居
落魄公卿
落魄流寓