“車夫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くるまや47.7%
しやふ21.6%
しゃふ10.2%
わかいしゅ5.7%
わかいしゆ5.7%
くるまひき3.4%
もの2.3%
わかいし1.1%
くるやま1.1%
つかい1.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「私、お腹一ぱいだから、お父さんと小母おばさんに、お土産みやげを届けてもらいたいわ、鰻を二人前ね、車夫くるまやさんに頼んでくださいよ」
文妖伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
駕籠舁夫かごかきが二人、車夫くるまやが二人、ドヤ/\として井戸端で水を飮んだりするので、周圍が俄に混雜をして、お駒はただ茫然としてゐた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
福「呆れて物が云われない、何だって車夫くるまやが此処に来てお内儀かみさんに逢いたいてえのは何ういうわけだ……何ういう縁故をもって云うのだ」
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いかにしたるか車夫しやふはぴつたりとかぢめて、まことまをしかねましたがわたしはこれで御免ごめんねがひます
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あまあがりの晩に車に乗つて、京都の町を通つたら、しばらくして車夫しやふが、どこへつけますとか、どこへつけやはりますとか、何とか云つた。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
外套ぐわいたういで、威勢ゐせいよくぱつと投出なげだす、帳場ちやうば車夫しやふなどは、おいでなすつた
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かさを かぶった おじいさんの 車夫しゃふです。そして くるまの うえには、それは きれいな およめさんが のって いました。
こがらしの ふく ばん (新字新仮名) / 小川未明(著)
牡蠣船のある方の岸は車の立場たてばになっていて柳の下へは車を並べ、その傍には小さな車夫しゃふたまりもうけてあった。
牡蠣船 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
手紙はごく簡単なものであったが、断らないで走るよりまだ増しだろうと思って、それを急いでうちへ届けるように車夫しゃふに頼んだ。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
玄関に居た頃から馴染の車屋で、見ると障子を横にしてまばゆい日当りを遮った帳場から、ぬい、と顔を出したのは、酒井へお出入りのその車夫わかいしゅ
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
裏門の方へ出ようとするかたわらに、寺のくりやがあって、其処そこで巡覧券を出すのを、車夫わかいしゅが取次いでくれる。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一々いちいち由緒のあるのを、車夫わかいしゅに聞きながら、金鶏山きんけいざんいただき、柳のたちあとを左右に見つつ、くるまは三代の豪奢ごうしゃの亡びたる
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
なんちふところや。」と二人ふたりばかり車夫わかいしゆつてる。たう親仁おやぢは、おほき前齒まへばで、たゞにや/\。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けだし、せずして、ひと宙返ちうがへりをして車夫わかいしゆあたま乘越とびこしたのである。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うだらう、車夫わかいしゆ車夫わかいしゆ——くるま打覆ぶつかへりはしないだらうか。」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「だから誰もそうはならないとは申しませんよ。そりゃお前さんの勝手だから、教師になと車夫くるまひきになと何になとおなんなさるが宜いのサ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それでこの日は親父はみぞを掘っていると、午後三時ごろ、親父のはね上げた土が、おりしも通りかかった車夫くるまひきのすねにぶつかった。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
市「なに別の事でも御座えませんが、貴方が伊香保から此方こっちへおいでなすった供に峯松てえ車夫くるまひきが有りやすか」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
その日も暮れ近く旦那つりより恵比須ゑびすがほして帰らるれば、御新造も続いて、安産の喜びに送りの車夫ものにまで愛想よく、今宵こよひを仕舞へば又見舞ひまする
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その日も暮れ近く旦那つりより惠比須ゑびすがほして歸らるれば、御新造も續いて、安産の喜びに送りの車夫ものにまで愛想よく、今宵を仕舞へば又見舞ひまする、明日は早くに妹共の誰れなりとも、一人は必らず手傳はすると言ふて下され
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今の腕車くるまに、私が乗っていたのを知って、車夫わかいしからで駆下りた時、足の爪をかれたとか何とか、因縁を着けて、端銭はした強請ゆするんであろうと思った。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
下りるとね、車夫わかいしはたった今乗せたばかりの処だろう、空車からぐるまの気前を見せて、ひとけで、顱巻はちまきの上へ梶棒かじぼうを突上げるいきおいで、真暗まっくらな坂へストンと摺込すべりこんだと思うと、むっくり線路の真中まんなかを躍り上って、や、と懸声だ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どういたしまして相済みません、わっしあね、先生、書生や車夫くるやまなんぞが居るてますから、掴出つかみだす位なことはするだろうと思ってね、そうしたら一番撲倒はりたおしておいて、そいつをしおに消えようと思ったんだが、まるで足腰が立たねえんです。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
——と、そう気が付いて、手紙の裏には「牛込区喜久井町、雪岡」と書いて車夫つかいに、彼方あちらに行ってから、若しも何処から来たと聞かれても、牛込から来た、と言わしてくれと女中に頼んだ。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)