車夫わかいし)” の例文
今の腕車くるまに、私が乗っていたのを知って、車夫わかいしからで駆下りた時、足の爪をかれたとか何とか、因縁を着けて、端銭はした強請ゆするんであろうと思った。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
車夫わかいしはたった今乗せたばかりの処だろう、空車からぐるまの気前を見せて、ひとけで、顱巻はちまきの上へ梶棒かじぼうを突上げるいきおいで、真暗まっくらな坂へストンと摺込すべりこんだと思うと、むっくり線路の真中まんなかを躍り上って、や
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)