車夫くるまひき)” の例文
それでこの日は親父はみぞを掘っていると、午後三時ごろ、親父のはね上げた土が、おりしも通りかかった車夫くるまひきのすねにぶつかった。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「だから誰もそうはならないとは申しませんよ。そりゃお前さんの勝手だから、教師になと車夫くるまひきになと何になとおなんなさるが宜いのサ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
市「なに別の事でも御座えませんが、貴方が伊香保から此方こっちへおいでなすった供に峯松てえ車夫くるまひきが有りやすか」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「親父は車夫くるまひきの野郎とけんかをして殺されたのだ。これをやるから木賃きちんへ泊まってくれ。今夜は仲間と通夜つやをするのだから。」
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
へえ手前てまいは此の旦那のお供をして参りました由兵衞と申すものでございますが、貴方は何んの御用で入らっしゃいました、峯松と申す車夫くるまひきは伊香保へ残して置き
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見る間に付近に散在していた土方が集まって来て、車夫くるまひきはなぐられるだけなぐられ、その上交番に引きずって行かれた。
窮死 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
のくらいまた人柄のい御新造も沢山たんとはありませんね、お可愛そうに世の中の事を御存じないのだから驚きましたろう、峰松と云う車夫くるまひきだまして引摺り出して
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)