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しやふ
ふりがな文庫
“
車夫
(
しやふ
)” の例文
誰
(
だれ
)
だ
己
(
おれ
)
の
真似
(
まね
)
をするのは。と
云
(
い
)
つて腹を立て、
其男
(
そのをとこ
)
を
引摺
(
ひきず
)
り出して
打
(
ぶ
)
ん
殴
(
なぐ
)
つたところが、
昨日
(
きのふ
)
自分の
連
(
つ
)
れて歩いた
車夫
(
しやふ
)
でございました。
年始まはり
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昨日
(
きのふ
)
、
碓氷
(
うすひ
)
で
汽車
(
きしや
)
を
下
(
お
)
りて、
峠
(
たうげ
)
の
權現樣
(
ごんげんさま
)
に
詣
(
まう
)
でた
時
(
とき
)
、さしかゝりで
俥
(
くるま
)
を
下
(
お
)
りて、あとを
案内
(
あんない
)
に
立
(
た
)
つた
車夫
(
しやふ
)
に、
寂
(
さび
)
しい
上坂
(
のぼりざか
)
で
彼
(
かれ
)
は
訊
(
たづ
)
ねた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
或
雨
(
あま
)
あがりの晩に車に乗つて、京都の町を通つたら、
暫
(
しばら
)
くして
車夫
(
しやふ
)
が、どこへつけますとか、どこへつけやはりますとか、何とか云つた。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
傾
(
かたむ
)
けて
見返
(
みかへ
)
るともなく
見返
(
みかへ
)
る
途端
(
とたん
)
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
るは
何物
(
なにもの
)
蓬頭亂面
(
ほうとうらんめん
)
の
青年
(
せいねん
)
車夫
(
しやふ
)
なりお
高
(
たか
)
夜風
(
よかぜ
)
の
身
(
み
)
にしみてかぶる/\と
震
(
ふる
)
へて
立止
(
たちどま
)
りつゝ
此雪
(
このゆき
)
にては
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
首に
珠數
(
じゆず
)
を
懸
(
か
)
けた百姓らしい中年の男女が、
合乘車
(
あひのりぐるま
)
の上に
莞爾
(
にこ/\
)
しつゝ、
菊石
(
あばた
)
の
車夫
(
しやふ
)
に、重さうにして曳かれて來るのにも逢つた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
かゝる誤りは
萬朝報
(
よろづてうはう
)
に最も
少
(
すくな
)
かつたのだが、
先頃
(
さきごろ
)
も
外
(
ほか
)
ならぬ言論欄に
辻待
(
つぢまち
)
の
車夫
(
しやふ
)
一切
(
いつせつ
)
を
朧朧
(
もうろう
)
と
称
(
せう
)
するなど、
大分
(
だいぶ
)
耳目
(
じもく
)
に遠いのが
現
(
あら
)
はれて来た。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
『モールスさんの
掘
(
ほ
)
つた
方
(
はう
)
が
金持
(
かねもち
)
のコロボツクルが
居
(
ゐ
)
たので、
此所
(
こゝ
)
は
屹
(
きつ
)
と
貧乏人
(
びんばうにん
)
が
居
(
ゐ
)
たんだらう』など
戯
(
たはむ
)
れて
居
(
ゐ
)
る
處
(
ところ
)
へ、
車夫
(
しやふ
)
を
從
(
したが
)
へて二
絛
(
でう
)
公
(
こう
)
が
來
(
こ
)
られた。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
うろ/\
徘徊
(
はいくわい
)
してゐる
人相
(
にんさう
)
の悪い
車夫
(
しやふ
)
が
一寸
(
ちよつと
)
風采
(
みなり
)
の
小綺麗
(
こぎれい
)
な通行人の
後
(
あと
)
に
煩
(
うるさ
)
く付き
纏
(
まと
)
つて乗車を
勧
(
すゝ
)
めてゐる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此
(
この
)
車夫
(
しやふ
)
に
小六
(
ころく
)
よりは
三
(
みつ
)
つ
程
(
ほど
)
年下
(
としした
)
の
子供
(
こども
)
があつて、
始終
(
しじゆう
)
小六
(
ころく
)
の
御相手
(
おあひて
)
をして
遊
(
あそ
)
んでゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕
(
ぼく
)
を老人として赤ら顔の酒臭い男を思つて見たり、若くて背中の曲がつた男かと思つて見たり、
車夫
(
しやふ
)
姿をした男かと思つて見たり、我子を罵つた言葉は越後訛か、奥州訛かと考へて見たり
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
更に
力車
(
りきしや
)
に乗つて引返し、
西区
(
ウヱスト・ポイント
)
の支那
街
(
まち
)
を一周して買物をしながら埠頭へ出たが途中で画家の
柚木
(
ゆのき
)
君の車が衝突して菓子屋の
舁
(
かつ
)
いで居た荷を滅茶滅茶にし、
車夫
(
しやふ
)
と菓子屋との
大立廻
(
おほだちまは
)
りが初まり
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
此
(
こ
)
の
可哀
(
あはれ
)
な
車夫
(
しやふ
)
に
向
(
むか
)
つて、
大川
(
おほかは
)
の
流
(
ながれ
)
の
音
(
おと
)
の
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
むやうに、
姿
(
すがた
)
を
引締
(
ひきし
)
めて
彳
(
たゝず
)
んだ
袖崎
(
そでさき
)
の
帽子
(
ばうし
)
には、
殊更
(
ことさら
)
に
月
(
つき
)
が
宿
(
やど
)
るが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えた。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
萬世橋
(
よろづよばし
)
へ
參
(
まゐ
)
りましたがお
宅
(
たく
)
は
何方
(
どちら
)
と
軾
(
かぢ
)
を
控
(
ひか
)
へて
佇
(
たゝず
)
む
車夫
(
しやふ
)
、
車上
(
しやじやう
)
の
人
(
ひと
)
は
聲
(
こゑ
)
ひくゝ
鍋町
(
なべちやう
)
までと
只
(
たゞ
)
一言
(
ひとこと
)
、
車夫
(
しやふ
)
は
聞
(
き
)
きも
敢
(
あ
)
へず
力
(
ちから
)
を
籠
(
こ
)
めて
今
(
いま
)
一勢
(
いつせい
)
と
挽
(
ひ
)
き
出
(
いだ
)
しぬ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
斯學
(
しがく
)
に
熱心
(
ねつしん
)
なる
公
(
こう
)
は、
焚火
(
たきび
)
にも
當
(
あた
)
られず、
直
(
たゞ
)
ちに
車夫
(
しやふ
)
を
指揮
(
さしづ
)
して、
余
(
よ
)
の
穴
(
あな
)
の
上部
(
じやうぶ
)
の
方
(
はう
)
で
發掘
(
はつくつ
)
を
始
(
はし
)
められた。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
足袋
(
たび
)
股引
(
もゝひき
)
の
支度
(
したく
)
ながらに答へたるに
人々
(
ひと/\
)
其
(
その
)
しをらしきを感じ合ひしがしをらしとは
本
(
もと
)
此世
(
このよ
)
のものに
非
(
あら
)
ずしをらしきが
故
(
ゆゑ
)
に
此男
(
このをとこ
)
の
此世
(
このよ
)
の
車夫
(
しやふ
)
とは落ちしなるべし。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
「御
宅
(
たく
)
から
御迎
(
おむかひ
)
が参りました」と云つた。代助は
宅
(
うち
)
から
迎
(
むかひ
)
を受ける
覚
(
おぼえ
)
がなかつた。聞き
返
(
かへ
)
して見ても、
門野
(
かどの
)
は
車夫
(
しやふ
)
がとか何とか要領を得ない事を云ふので、代助は
頭
(
あたま
)
を振り/\玄関へ
出
(
で
)
て見た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
車夫
(
しやふ
)
に
訊
(
き
)
けば
何處
(
どこ
)
か行くとこがあつたらう。』
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
と
狡
(
さか
)
しげな
目
(
め
)
を
光
(
ひか
)
らして
云
(
い
)
つた。
鴫
(
しぎ
)
も
鳩
(
はと
)
も、——
此處
(
こゝ
)
に
其
(
そ
)
の
獲
(
え
)
ものの
數
(
かず
)
さへ
思
(
おも
)
つたのは、
車夫
(
しやふ
)
が
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
の
言葉
(
ことば
)
の
記憶
(
きおく
)
である。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さやけき
月
(
つき
)
に
風
(
かぜ
)
のおと
添
(
そ
)
ひて、
虫
(
むし
)
の
音
(
ね
)
たえ/″\に
物
(
もの
)
がなしき
上野
(
うへの
)
へ
入
(
い
)
りてよりまだ一
町
(
てう
)
もやう/\と
思
(
おも
)
ふに、いかにしたるか
車夫
(
しやふ
)
はぴつたりと
轅
(
かぢ
)
を
止
(
と
)
めて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
熱心
(
ねつしん
)
なる
公爵
(
こうしやく
)
は、
車夫
(
しやふ
)
の
活動
(
くわつどう
)
を
手鈍
(
てぬる
)
しとして、
自
(
みづか
)
ち
採集器具
(
さいしふきぐ
)
を
手
(
て
)
にせられたが、
忽
(
たちま
)
ち一
聲
(
せい
)
。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
帳場
(
ちやうば
)
から
此處
(
こゝ
)
へ
參
(
まゐ
)
る
内
(
うち
)
も、
此
(
こ
)
の
通
(
とほ
)
りの
大汗
(
おほあせ
)
と、
四人
(
よつたり
)
の
車夫
(
しやふ
)
は
口
(
くち
)
を
揃
(
そろ
)
へ、
精一杯
(
せいいつぱい
)
、
後押
(
あとおし
)
で、お
供
(
とも
)
はいたして
見
(
み
)
まするけれども、
前途
(
さき
)
のお
請合
(
うけあひ
)
はいたされず。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
夫
(
それ
)
ではお
前
(
まへ
)
加减
(
かげん
)
でも
惡
(
わ
)
るいか、まあ
何
(
ど
)
うしたと
言
(
い
)
ふ
譯
(
わけ
)
、
此處
(
こゝ
)
まで
挽
(
ひ
)
いて
來
(
き
)
て
厭
(
い
)
やに
成
(
な
)
つたでは
濟
(
す
)
むまいがねと
聲
(
こゑ
)
に
力
(
ちから
)
を
入
(
い
)
れて
車夫
(
しやふ
)
を
叱
(
しか
)
れば、
御免
(
ごめん
)
なさいまし
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
松島
(
まつしま
)
から
帰途
(
かへり
)
に、
停車場
(
ステーシヨン
)
までの
間
(
あひだ
)
を、
旅館
(
りよくわん
)
から
雇
(
やと
)
つた
車夫
(
しやふ
)
は、
昨日
(
きのふ
)
、
日暮方
(
ひぐれがた
)
に
其
(
そ
)
の
旅館
(
りよくわん
)
まで、
同
(
おな
)
じ
停車場
(
ていしやば
)
から
送
(
おく
)
つた
男
(
をとこ
)
と
知
(
し
)
れて、
園
(
その
)
は
心易
(
こゝろやす
)
く
車上
(
しやじやう
)
で
話
(
はな
)
した。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
心丈夫
(
こゝろじようぶ
)
に
車夫
(
しやふ
)
の
顏
(
かほ
)
を
見
(
み
)
れば二十五六の
色
(
いろ
)
黒
(
くろ
)
く、
小男
(
こをとこ
)
の
痩
(
や
)
せぎす、あ、
月
(
つき
)
に
背
(
そむ
)
けたあの
顏
(
かほ
)
が
誰
(
た
)
れやらで
有
(
あ
)
つた、
誰
(
た
)
れやらに
似
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
ると
人
(
ひと
)
の
名
(
な
)
も
咽元
(
のどもと
)
まで
轉
(
ころ
)
がりながら
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一
臺
(
だい
)
の
腕車
(
わんしや
)
二
人
(
にん
)
の
車夫
(
しやふ
)
は、
此
(
こ
)
の
茶店
(
ちやみせ
)
に
留
(
とゞ
)
まつて、
人々
(
ひと/″\
)
とともに
手當
(
てあて
)
をし、
些
(
ちつ
)
とでもあがきが
着
(
つ
)
いたら、
早速
(
さつそく
)
武生
(
たけふ
)
までも
其日
(
そのひ
)
の
内
(
うち
)
に
引返
(
ひつかへ
)
すことにしたのである。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
借
(
か
)
りしも
二度
(
にど
)
三度
(
さんど
)
車夫
(
しやふ
)
亦
(
また
)
道
(
みち
)
に
委
(
くは
)
しからずやあらん
未
(
いま
)
だ
此職
(
このしよく
)
に
馴
(
な
)
れざるにやあらん
同
(
おな
)
じ
道
(
みち
)
行返
(
ゆきかへ
)
りて
困
(
かう
)
じ
果
(
は
)
てもしたらんに
強
(
つよ
)
くいひても
辭
(
じ
)
しもせず
示
(
しめ
)
すが
儘
(
まゝ
)
の
道
(
みち
)
を
取
(
と
)
りぬ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
下坂
(
くだりざか
)
は、
動
(
うごき
)
が
取
(
と
)
れると、一
名
(
めい
)
の
車夫
(
しやふ
)
は
空車
(
から
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
直
(
す
)
ぐに
引返
(
ひつかへ
)
す
事
(
こと
)
になり、
梶棒
(
かぢぼう
)
を
取
(
と
)
つて
居
(
ゐ
)
たのが、
旅鞄
(
たびかばん
)
を
一個
(
ひとつ
)
背負
(
しよ
)
つて、
之
(
これ
)
が
路案内
(
みちあんない
)
で
峠
(
たうげ
)
まで
供
(
とも
)
をすることになつた。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一ト
言
(
こと
)
心
(
こゝろ
)
に
染
(
そ
)
まる
事
(
こと
)
のあれば
跡先
(
あとさき
)
も
無
(
な
)
く
其者
(
そのもの
)
可愛
(
かわ
)
ゆう、
車夫
(
しやふ
)
の
茂助
(
もすけ
)
が
一人子
(
ひとりこ
)
の
與太郎
(
よたらう
)
に、
此新年
(
このはる
)
旦那
(
だんな
)
さま
召
(
めし
)
おろしの
斜子
(
なゝこ
)
の
羽織
(
はをり
)
を
遣
(
つか
)
はされしも
深
(
ふか
)
くの
理由
(
わけ
)
は
無
(
な
)
き
事
(
こと
)
なり
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
医者
(
いしや
)
の
内弟子
(
うちでし
)
で
薬局
(
やくきよく
)
、
拭掃除
(
ふきさうぢ
)
もすれば
総菜畠
(
さうざいばたけ
)
の
芋
(
いも
)
も
堀
(
ほ
)
る、
近
(
ちか
)
い
所
(
ところ
)
へは
車夫
(
しやふ
)
も
勤
(
つと
)
めた、
下男
(
げなん
)
兼帯
(
けんたい
)
の
熊蔵
(
くまざう
)
といふ、
其頃
(
そのころ
)
二十四五
歳
(
さい
)
、
稀塩散
(
きゑんさん
)
に
単舎利別
(
たんしやりべつ
)
を
混
(
ま
)
ぜたのを
瓶
(
びん
)
に
盗
(
ぬす
)
んで
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
乘
(
の
)
り
入
(
い
)
れし
車
(
くるま
)
は
確
(
たし
)
かに
香山家
(
かやまけ
)
の
物
(
もの
)
なりとは、
車夫
(
しやふ
)
が
被布
(
はつぴ
)
の
縫
(
ぬひ
)
にも
知
(
し
)
れたり、十七八と
見
(
み
)
えしは
美
(
うつ
)
くしさの
故
(
ゆゑ
)
ならんが、
彼
(
あ
)
の
年齡
(
としごろ
)
の
娘
(
むすめ
)
ほかに
有
(
あ
)
りとも
聞
(
き
)
かず、
噂
(
うは
)
さの
令孃
(
ひめ
)
は
彼
(
あ
)
れならん
彼
(
あ
)
れなるべし
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
たべものに
掛
(
か
)
けては、
中華亭
(
ちうくわてい
)
の
娘
(
むすめ
)
が
運
(
はこ
)
ぶ
新栗
(
しんぐり
)
のきんとんから、
町内
(
ちやうない
)
の
車夫
(
しやふ
)
が
内職
(
ないしよく
)
の
駄菓子店
(
だぐわしみせ
)
の
鐵砲玉
(
てつぱうだま
)
まで、
趣
(
おもむき
)
を
解
(
かい
)
しないでは
置
(
お
)
かない
方
(
かた
)
だから、
遲
(
おそ
)
い
朝御飯
(
あさごはん
)
に
茶漬
(
ちやづ
)
けで、さら/\。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
雨
(
あめ
)
はふれど
雪
(
ゆき
)
は
降
(
ふ
)
れど
其處
(
そこ
)
に
轅棒
(
かぢぼう
)
おろさぬ
事
(
こと
)
なしと
口
(
くち
)
さがなき
車夫
(
しやふ
)
の
誰
(
た
)
れに申せしやら、
某
(
それ
)
から
某
(
それ
)
と
傳
(
つた
)
はりて
想像
(
さうぞう
)
のかたまりは
影
(
かげ
)
となり
形
(
かたち
)
となり
種々
(
さま/″\
)
の
噂
(
うわさ
)
となり、
人
(
ひと
)
知
(
し
)
れず
氣
(
き
)
をもみ
給
(
たま
)
ふ
御方
(
おんかた
)
もありし
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
從
(
したが
)
つて、
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
の
巷談
(
こうだん
)
には、
車夫
(
くるまや
)
の
色男
(
いろをとこ
)
が
澤山
(
たくさん
)
あつた。
一寸
(
ちよつと
)
岡惚
(
をかぼれ
)
をされることは、やがて
田舍
(
ゐなか
)
まはりの
賣藥行商
(
ばいやくぎやうしやう
)
、
後
(
のち
)
に
自動車
(
じどうしや
)
の
運轉手
(
うんてんしゆ
)
に
讓
(
ゆづ
)
らない。
立志
(
りつし
)
美談
(
びだん
)
車夫
(
しやふ
)
の
何
(
なん
)
とかがざらにあつた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
投
(
な
)
げた
時
(
とき
)
、
偶
(
ふ
)
と
渠
(
かれ
)
は、
鼓打
(
つゞみうち
)
である
其
(
そ
)
の
従弟
(
いとこ
)
が、
業体
(
げふたい
)
と
言
(
い
)
ひ、
温雅
(
をんが
)
で
上品
(
じやうひん
)
な
優
(
やさ
)
しい
男
(
をとこ
)
の、
酒
(
さけ
)
に
酔払
(
ゑひはら
)
ふと、
場所
(
ばしよ
)
を
選
(
えら
)
ばず、
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
る
外套
(
ぐわいたう
)
を
脱
(
ぬ
)
いで、
威勢
(
ゐせい
)
よくぱつと
投出
(
なげだ
)
す、
帳場
(
ちやうば
)
の
車夫
(
しやふ
)
などは
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
喚
(
わめ
)
くと、
楫棒
(
かぢぼう
)
をたゝき
投
(
な
)
げて、
車夫
(
しやふ
)
は
雲雀
(
ひばり
)
と十
文字
(
もんじ
)
に
飛
(
と
)
んで
遁
(
に
)
げた。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“車夫”の意味
《名詞》
車夫(しゃふ)
人力車を引いて人を運ぶことを仕事にする人。人力車夫。
(出典:Wiktionary)
車
常用漢字
小1
部首:⾞
7画
夫
常用漢字
小4
部首:⼤
4画
“車夫”で始まる語句
車夫様
車夫體
車夫同士
車夫風情