“徘徊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はいかい74.7%
はいくわい11.1%
うろつ4.2%
さまよ2.6%
たもとほ1.6%
もとほり1.1%
たもと0.5%
うろうろ0.5%
うろ/\0.5%
たちまわ0.5%
たもとお0.5%
まごつ0.5%
もとほ0.5%
ゆきめぐ0.5%
ハイカイ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
次第に日はかたむいて、寺院のあたりを徘徊はいかいする人の遠い足音はいよいよれになってきた。美しい音色の鐘が夕べの祈祷きとうを告げた。
徘徊はいくわいめぐり/\て和歌山わかやまの平野村と云へる所にいたりける此平野村に當山派たうざんは修驗しゆけん感應院かんおうゐんといふ山伏やまぶしありしが此人甚だ世話好せわずきにて嘉傳次を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『早くけえつて寢るこつた。恁麽こんな時何處ウ徘徊うろつくだべえ。天理樣拜んで赤痢神が取附とつつかねえだら、ハア、何で醫者藥がるものかよ。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
坂道を下りつくし、町のちまたに出て小路こうじの中に姿を没したと見えたが、その後は、どこをどうして徘徊さまようているか消息が分らない。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
楸楡しうゆ颯々蓬艾ほうがい蕭々として夕月の光り薄く西風の音の淋しかりしまゝ、勝れて艶なる此花を見る/\徘徊たもとほりて想ひやりたることありき。
花のいろ/\ (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あふさきるさの徘徊もとほりに、身の鬱憂を紛れむと
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
子供一人菓子も投げねば長き鼻をダラリブラリと象徘徊たもとほる
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
かれ半年はんとし無職むしょく徘徊うろうろしてただパンと、みずとで生命いのちつないでいたのであるが、その裁判所さいばんしょ警吏けいりとなり、やまいもっのちにこのしょくするまでは、ここにつとめっていたのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かれ半年はんとし無職むしよく徘徊うろ/\してたゞパンと、みづとで生命いのちつないでゐたのであるが、其後そのご裁判所さいばんしよ警吏けいりとなり、やまひもつのちしよくするまでは、こゝつとめつてゐたのであつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「弓掛の部落の仲間内に謀反人があるということをチラリと耳に挟んだので、吟味所あたりをそんな野郎が徘徊たちまわっていないでもないと、それを案じてやって来たのさ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ある時は綾瀬の橋のなかばより雲はるかに遠く眺めやりしの秩父嶺の翠色みどり深きが中に、明日明後日はこの身の行き徘徊たもとおりて、この心の欲しきまま林谷にうそぶおごるべしと思えば
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
へその下を住家として魂が何時の間にか有頂天外へ宿替をすれば、静かには坐ッてもいられず、ウロウロ座舗を徘徊まごついて、舌を吐たり肩をすくめたり思い出し笑いをしたり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「いきどほり」は怒りて發する能はず、氣の屯蹇ちゆんけんして徘徊もとほりて已まざる「いきもとほり」の約ででも有らう。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
◯なお一例として三十八章末尾の鴉の記事を見るに「また鴉の子神に向いてよばわり食物なくして徘徊ゆきめぐる時鴉にを与うる者は誰ぞや」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
本庁の方へは深更しんこうに及んでも「痣蟹ノ屍体ハ依然トシテ見当ラズ、マタ管下カンカニ痣蟹ラシキ人物ノ徘徊ハイカイセルヲ発見セズ」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)