“まごつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
狼狽33.3%
迷付16.7%
間誤付16.7%
周章11.1%
迷惑5.6%
当惑5.6%
徘徊5.6%
5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
可哀相なは慎次で、四五枚の札も守り切れず、イザとなると可笑をかしい身振をして狼狽まごつく。それを面白がつたのはあによめの清子と静子であるが、其狼狽方まごつきかた故意わざとらしくも見えた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
その努力ははしけから桟橋さんばしへ移る程楽ではなかった。食い違った断面の甲に迷付まごついているものが、急に乙に移るべく余儀なくされた様であった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ウーム。ナアルホド。下手を間誤付まごつけあ、良い恥晒はじさらしになるってえ訳だな」
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
これも今来た許りと見える女教師の並木孝子は、一人で其人数を引受けて少し周章まごついたといふふうで、腰も掛けずに何やらいそがしく卓の上で帳簿を繰つてゐた。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
なか這入はいッて見ると大違い、もっとも客も相応にあッたが、給事のおんなが不慣れなので迷惑まごつく程には手が廻わらず、帳場でも間違えれば出し物もおくれる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
その足音を聞きつけてか、奥の間で「文さんはやないと遅くなるヨ」トいうお政の声に圭角かどはないが、文三の胸にはぎっくりこたえて返答にも迷惑まごつく。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
之れで読めた、読めは読めたが、思わく違いに当惑まごついた。全くまごつくじゃ無えか。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
へその下を住家として魂が何時の間にか有頂天外へ宿替をすれば、静かには坐ッてもいられず、ウロウロ座舗を徘徊まごついて、舌を吐たり肩をすくめたり思い出し笑いをしたり
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
御意ぎょいかなわぬとなると瑣細ささいの事にまで眼を剥出むきだして御立腹遊ばす、言わば自由主義の圧制家という御方だから、哀れや属官の人々は御機嫌ごきげんの取様にまごついてウロウロする中に、独り昇はまごつかぬ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)