“婢”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
じょちゅう34.9%
おんな25.5%
11.4%
はしため8.1%
をんな4.7%
はした3.4%
ねえ1.3%
げじょ1.3%
ちび1.3%
おさん0.7%
こしもと0.7%
おはした0.7%
マグド0.7%
かか0.7%
かみ0.7%
0.7%
しもめ0.7%
てかけ0.7%
0.7%
ひと0.7%
まかだち0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
数多たくさん抱えているじょちゅう達は、それぞれ旦那衆だんなしゅうのおともをして屋根船に乗り込んで、隅田すみだの花見に往っているので家の中はひっそりしていた。
鼓の音 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
撫でての歎息顔『茶などは要らぬ、止しにせい。たしか太田のおんなとやらが、毎晩泊りに来るとか聞いたが、それは今夜も来てゐるか』
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
なんゆえ私宅教授したくけふじゆの口がありても錢取道ぜにとるみちかんがへず、下宿屋げしゆくやに、なにるとはれてかんがへることるとおどろかしたるや。
「罪と罰」の殺人罪 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
こたびの道づれははしため一人のみ。例の男仲間は一人だになし。かく膽太く羅馬拿破里の間を往來ゆききする女はあらぬならん、奈何いかになどいへり。
かどの戸引啓ひきあけて、酔ひたる足音の土間に踏入りたるに、宮は何事とも分かず唯慌ただあわててラムプを持ちてでぬ。台所よりをんなも、出合いであへり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ようこそと玄關に高きはした女が聲を、耳とく聞きて、膝にねふれる小猫をおろし、よみさしの繪入新聞そこの茶だんすの上にのせて、お珍らしや何風に吹かれ給ひてぞ
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「では、後からおあしと籠をねえやに持たしてあげますから、そろそろのぼつていらつしやい。」と、妻が病後の子供をかかへあげた。
蜜柑山散策 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
番町ばんちょう青山主膳あおやましゅぜんの家の台所では、げじょのおきくが正月二日の昼の祝いの済んだ後の膳具ぜんぐを始末していた。
皿屋敷 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
……天井裏で声がして、十五六の当のちびは、どこからあらわれたか、すすつないで、その天井から振下ぶらさげたように、二階の廊下を、およそ眠いといった仏頂面で、ちょろりと来た。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
絹足袋の、しずかな畳ざわりには、客の来たのを心着かなかった鞠子のおさんも、旦那様の踏みしだいて出る跫音あしおとに、ひょっこり台所だいどこから顔を見せる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
七八人しちはちにんむらがりむに、おの/\つまたいしてならしてむつまじきことかぎりなし。かうけてみなわかとき令史れいしつまうまる。こしもとまたそのかめりけるが心着こゝろづいてさけんでいはく、かめなかひとあり。と。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
呼鈴よびりんはげしくならして、「矢島をこれへ。」と御意あれば、かしこまりて辷出すべりいづるおはした入違いりちがいに、昨日きのう馬をぎょせし矢島由蔵、真中の障子を開きて縁側にひざまず
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その晩ホテルに舞踏会パーティがあってね、なるたけ仮装してくれというから、ホテルのマグドに女の服を借りてもらって、それを着て会へ出たんだ。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「今夜あ一つ、引っ越し酒といきましょうや。小二のかかとおふくろは、金を持たせて、これも遠くへ隠してしまいましたから、こちはもう、足手まといも何もありません」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仕事の隙間に駈けてきたような百姓や、木挽こびきや、赤子の手を引ッぱったかみさんや、頭へ荷を乗せている物売りや旅人。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがね、ほんとに馬鹿なで、どなたかほかの人と間違えて、若松屋惣七さんから若いおなご衆がお使いにみえたと申しましたよ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
神、この不思議を見ていたく驚き、アダムをおそれて自らが子となし給いしも、エヴは常の人と異ならざればしもめとなし、さてエヴといとなみしに、エヴみごもりて女児おなごを生みて死せり。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
御当人様ではまるで奥様を、お探しになるやうな思召、てかけめかけといふやうなものでは、とてもそれだけの用に立たない。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
やアお嬢ちゃんおんぶしておくれッ!」
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
寸の間もはなれざりしものを、今さら一人はやりともなきに、我まゝなれども此處より一人手廻りのひとをつれたく、お新さまを宜き口あらばとお頼みなりしが、あのやうに可愛くしかも柔順おとなしき娘を
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ここに火遠理の命、そのまかだちを見て、「水をたまへ」と乞ひたまふ。婢すなはち水を酌みて、玉盌に入れて貢進たてまつる。