“婢”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
じょちゅう36.8%
おんな26.5%
12.5%
はしため6.6%
をんな4.4%
はした2.2%
げじょ1.5%
ちび1.5%
ねえ1.5%
おさん0.7%
(他:8)5.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“婢”を含む作品のジャンル比率
文学 > 中国文学 > 小説 物語21.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語3.2%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.2%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「よし、それじゃ、婆あの分は、おいらが代筆をしてやる」筆のことを思いだして、「筆がないな、じょちゅうを呼ぼうか」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そこで女は婆さんのじょちゅうに言いつけて、孫の家へ履を探しに往かしたが、婆さんが往ってみると、孫はもうめていた。
阿宝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
おんなの呼び来たりて、お豊を抑留しつ。このひまにと武男はつとやぶを回りて、二三十歩足早に落ち延び、ほっと息つき
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
それらの人たちに、家内うちおんなたちや、子供たちも交えて、三十数名のものが、土間に蓆をしいてずらりと二列に並ぶ。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
一日浪子の主治医を招きて書斎に密談せしが、その翌々日より、浪子を伴ない、の幾を従えて、飄然ひょうぜんとして京都に来つ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
らば其用意そのえういしてくべしとて、さいとに糧食れうしよくたづさへさせ
しかして神のはしためを見よといふ言葉、あたかも蝋に印影かたさるゝごとくあざやかにその姿にられき 四三—四五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
他のはしためと同様に、髪は巻きあげ、衣も粗末なのをまとってはいたが、その女は何処やら由緒ありそうに、いかにも哀れげに見えた。
曠野 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
再びする時聞慣れたるあるじの妻の声して、しきりをんなの名を呼びたりしに、答へざりければやがて自らで来て
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
おくめるひと使つかへるをんな、やつちや青物あをものひにづるに
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
わがはしたなにおもふらむ廚辺くりやべ桜花はなのもとにあちらむきてり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
同じ鑵詰屋を出している、せんかみさんの義理の弟——先代のめかけともはしたとも知れないような或女に出来た子供——のいる四谷の方へもお島は顔出しをしなければならないように言われていたが
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お岩がしかたなしに一人置いてあったげじょを出したので、伊右衛門の帰らない晩は一人で夜を明さなければならなかった。
四谷怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
番町ばんちょう青山主膳あおやましゅぜんの家の台所では、げじょのおきくが正月二日の昼の祝いの済んだ後の膳具ぜんぐを始末していた。
皿屋敷 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
……抱妓かかえが五人とわけが二人、雛妓おしゃくが二人、それと台所とちびの同勢、蜀山しょくざんこつとして阿房宮、富士の霞に日の出のいきおい
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……天井裏で声がして、十五六の当のちびは、どこからあらわれたか、すすつないで、その天井から振下ぶらさげたように、二階の廊下を、およそ眠いといった仏頂面で、ちょろりと来た。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
藷畑は遠さうだし、何処の蜜柑山の傍だかわからないので、麦畑の左にうち展いたあたりからねえやを帰す。鞄は夕暮の持ちになる。
蜜柑山散策 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「では、後からおあしと籠をねえやに持たしてあげますから、そろそろのぼつていらつしやい。」と、妻が病後の子供をかかへあげた。
蜜柑山散策 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そこにしゃがんでいた、例のつんつるてん鞠子のおさんが、湯加減を聞いたが上塩梅じょうあんばい
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茶棚のわきふすまを開けて、つんつるてんな着物を着た、二百八十間の橋向う、鞠子辺まりこあたりの産らしい、十六七のおさんどんが、
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それがね、ほんとに馬鹿なで、どなたかほかの人と間違えて、若松屋惣七さんから若いおなご衆がお使いにみえたと申しましたよ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
こしもとまたそのかめりけるが心着こゝろづいてさけんでいはく、かめなかひとあり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こしもとをしてはうきひともたいまつごとくにしてあまねせしむ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
神、この不思議を見ていたく驚き、アダムをおそれて自らが子となし給いしも、エヴは常の人と異ならざればしもめとなし、さてエヴといとなみしに、エヴみごもりて女児おなごを生みて死せり。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
御当人様ではまるで奥様を、お探しになるやうな思召、てかけめかけといふやうなものでは、とてもそれだけの用に立たない。その当人の器量次第では、妾と思はぬ、奥として待遇あしらふほどに、そこを万々承知して一ツよい奴、いゑ何よいお嬢様上りのものを、周旋してくれまいかとの、仰せを蒙りましたので。
誰が罪 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
やアお嬢ちゃんおんぶしておくれッ!」
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
年ごろ睦ましき中は月花のいづくにも手を携へぬ時なく、寸の間もはなれざりしものを、今さら一人はやりともなきに、我まゝなれども此處より一人手廻りのひとをつれたく、お新さまを宜き口あらばとお頼みなりしが、あのやうに可愛くしかも柔順おとなしき娘を
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ここに火遠理の命、そのまかだちを見て、「水をたまへ」と乞ひたまふ。
まあ、そう言うな。はじめからそんな気でやったわけじゃないんだ。その晩ホテルに舞踏会パーティがあってね、なるたけ仮装してくれというから、ホテルのマグドに女の服を借りてもらって、それを着て会へ出たんだ。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
……衣裳屋へ服を借りに行った女が、いま盛んに追求されている。ホテルのマグドはまだ何も言ってないらしいが、いずれやり切れなくなって自首するだろう。……僕が捕えられるのはもう時間の問題だ。僕は殺っていない。だからこそ、葵のために僕は捕ってはならないのだ。どんなことがあっても二人で逃げとおすつもりだ。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)