おさん)” の例文
絹足袋の、しずかな畳ざわりには、客の来たのを心着かなかった鞠子のおさんも、旦那様の踏みしだいて出る跫音あしおとに、ひょっこり台所だいどこから顔を見せる。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
茶棚のわきふすまを開けて、つんつるてんな着物を着た、二百八十間の橋向う、鞠子辺まりこあたりの産らしい、十六七のおさんどんが
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこにしゃがんでいた、例のつんつるてん鞠子のおさんが、湯加減を聞いたが上塩梅じょうあんばい
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)