“襖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふすま97.7%
からかみ1.1%
あお0.3%
あを0.3%
ぶすま0.3%
うすま0.2%
くさび0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は、その家の中に、竹の芽が思ふまゝに伸びて、戸障子やふすまのゆがんでゐる有様を思ひ浮べて、こそ/\その家の前を通り過ぎた。
五月雨 (新字旧仮名) / 吉江喬松(著)
からかみを開けたも知らぬ。長火鉢につまづいたも知らぬ。真暗で誰のだか解らぬが、兎に角下駄らしいものを足に突懸けて、渠は戸外へ飛出した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
下人は七段ある石段の一番上の段に、洗いざらした紺のあおの尻を据えて、右の頬に出来た、大きな面皰にきびを気にしながら、ぼんやり、雨のふるのを眺めていた。
羅生門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
広庭の所々には、新しく打つたらしい杭の上に五斛納釜ごくなふがまを五つ六つ、かけ連ねて、白い布のあをを着た若い下司女げすをんなが、何十人となく、そのまはりに動いてゐる。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
と、徳利をつかんだまま、よろよろと、立ちあがると、ガタピシとぶすまをあけ立てして、庫裡くりの戸棚の中の、ぶたね上げる。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
もなく、K夫人ふじんあひだうすまけて吃驚びつくりした。瞬間しゆんかん自殺じさつかと狼狽らうばいしたほど彼女かのぢよ多量たりやう咯血かくけつなかにのめつてゐた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
「今朝、お嬢様のお部屋のバルコニーの欄干のくさびが抜けて、お嬢様がいつものようにもたれれば、すぐ外れるようになっていたのを御存じでございますか」
水中の宮殿 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)