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襖
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からかみ
ふりがな文庫
“
襖
(
からかみ
)” の例文
襖
(
からかみ
)
を開けたも知らぬ。長火鉢に
躓
(
つまづ
)
いたも知らぬ。真暗で誰のだか解らぬが、兎に角下駄らしいものを足に突懸けて、渠は戸外へ飛出した。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
僧「形は絵に
描
(
か
)
いたようなものだ、
朦朧
(
ぼんやり
)
として
判然
(
はっきり
)
其の形は見えず、只ぼうと障子や
襖
(
からかみ
)
へ映ったり、上の方だけ見えて下の方は
烟
(
けむ
)
のようで、どうも不気味なものじゃて」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
白ペンキ塗の
厚縁
(
あつぶち
)
の
燦々
(
きらきら
)
で、
脾弱
(
ひよわ
)
い、すぐにも
撓
(
しわ
)
って
外
(
はず
)
れそうな障子や
襖
(
からかみ
)
の
劃
(
しき
)
りの、そこらの
間毎
(
まごと
)
には膏薬のいきれがしたり、汗っぽい淫らな声が
饐
(
す
)
えかけたりしている。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
今度は楕円形な
翳
(
かげ
)
が横合から出て来て、煙の様に動いて、もと来た横へ
逸
(
そ
)
れて了ふ。ト、淡紅色の
襖
(
からかみ
)
がスイと開いて、真黒な髭面の菊池君が……
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
馬「へい、
襖
(
からかみ
)
を
閉切
(
たてき
)
っていきれるから
斯
(
こ
)
う枕元に立って立番をしているので、これから縁側へ
整然
(
ちゃん
)
とお湯を持って
行
(
い
)
くんだ、何うです今夜は
一
(
ひ
)
と
役
(
やく
)
二
分
(
ぶ
)
宛
(
ずつ
)
と極めましょう」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
もう少し酒興が深めばいよいよ羽化登仙というところで、サラリと正面の
襖
(
からかみ
)
が開いて、コツコツと杖こそ突かぬが、ぬうと這入って来たは白髪白髯の老紳士とその老夫人であった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
古い、暗い、大きい家、障子も
襖
(
からかみ
)
も破れ放題、壁の落ちた所には、
漆黒
(
まつくろ
)
に煤けた新聞紙を貼つてあつた。板敷にも畳にも、足触りの悪い程
土埃
(
ほこり
)
がたまつてゐた。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
髭むじゃの男の顔も、そそけ髪の
淫
(
みだ
)
らがましい女の顔も、むさくるしい二階の窓から好奇らしく私たちを眺めていた。それはたった一軒の旅館兼料理屋らしかった。
襖
(
からかみ
)
の
染点
(
しみ
)
までが浅ましかった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
とぴしゃりと
襖
(
からかみ
)
を
閉切
(
たてき
)
ります。
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
昨夜の事が
歴々
(
まざまざ
)
と思出された。女中が
襖
(
からかみ
)
を開けて髭面の菊池君が初めて顔を出した時の
態
(
さま
)
が、目に浮ぶ。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
主婦と其甥に当る十六の
少年
(
こども
)
と、三人の
女児
(
をんなのこ
)
とが、此室に重なり合ふ様になつて寝て居るのだが、渠は慣れて居るから、其等の顔を踏付ける事もなく、
壁側
(
かべぎは
)
を伝つて奥の
襖
(
からかみ
)
を開けた。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お定は其処に膝をついて、開けた
襖
(
からかみ
)
に片手をかけた儘一時間許りも身動きをしなかつた。先づ明日の朝自分の為ねばならぬ事を胸に数へたが、お八重さんが今頃怎してる事かと、友の身が思はれる。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“襖”の解説
襖(ふすま)は、木などでできた骨組みの両面に紙や布を張ったものでそれに縁や引手を付けたもの。和室の仕切りに使うパネル状の建具の一つであり、一般に引き戸構造となっている。「襖障子」(ふすましょうじ)または「唐紙障子」(からかみしょうじ)と呼ばれることもある。単に「唐紙」と呼ばれることもある。
(出典:Wikipedia)
襖
漢検準1級
部首:⾐
18画
“襖”を含む語句
襖子
素襖
襖紙
襖側
襖越
銀襖
破襖
白襖
襖障子
襖一重
障子襖
襖際
小襖
襖絵
金襖
槍襖
古襖
絵襖
大襖
矢襖
...