“整然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちゃん35.3%
きちん33.3%
せいぜん15.7%
ちやん3.9%
ちゃあん3.9%
きちり2.0%
きっちり2.0%
ちゃアん2.0%
ちやんと2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「予定は無論整然ちゃんと拵えて置いて戴かなければなりませんが、あなたはとても几帳面にお手紙を下さるような方じゃありませんからね」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
の透く髪を一筋すき整然きちんと櫛を入れて、髯のさきから小鼻へかけて、ぎらぎらと油ぎった処、いかにも内君が病身らしい。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
音楽に歩調ほちょうをあわせて整然せいぜんと進んで行くのを見ていると「えらいものだ! 音楽がわかる」と口をすべらしそうだ。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
其処そこ彫像てうざうわきいて、からかさこしえると、不思議ふしぎや、すそひらかず、かたらず……にかはけたやうに整然ちやんつた、同時どうじにくる/\とからかさまはつて、さつさとく……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いや、あと二三ヶ月で鎮るが、やがて台湾が日本のものになるなどと、一々申す事がみんなあたりまして、号外よりさき整然ちゃあんと心得ているくらいはおろかな事。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
書斎なども実に整然きちりと片付いていた。無頓着むとんじゃくな私には、先生のそういう特色が折々著しく眼に留まった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
整然きっちり片附られた座敷の正面床の脇に、淋しく立掛られてある琴が、在らぬ主のおもかげを哀れにしのばせた、春日は中央まんなかでじっと四辺あたりを見廻して後
誘拐者 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
わたくしのようなきたな衣服きものは南部で出来た表に、青梅おうめ飯能はんのうへんで出来ました裏を附けますと一対の夫婦で、表は亭主裏は女房ですから、折目正しく整然ちゃアんとしていれば一対の夫婦でございますが
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あいちやんはいくらもあるかないうちに、三月兎ぐわつうさぎいへえるところました、それはみゝのやうな格好かくかうをした煙突えんとつもあれば、毛皮葺けがはぶきの屋根やねまである整然ちやんとしたうちちがひありませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)