整然せいぜん)” の例文
音楽に歩調ほちょうをあわせて整然せいぜんと進んで行くのを見ていると「えらいものだ! 音楽がわかる」と口をすべらしそうだ。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
あまり整然せいぜんと飾りたててはありませんが、その美しさは、いつまで見ていてもあきることはありませんでした。
構図の整然せいぜんとしたおもむき、なだらかな描写にこもるはりつめた気力という点で、この一編はたしかに、かれの長い作品系列のなかでも、一種特別な位置をしめていると言っていい。
「ヴェニスに死す」解説 (新字新仮名) / 実吉捷郎(著)
構図の整然せいぜんとしたおもむき、なだらかな描写にこもるはりつめた気力という点で、この一編はたしかに、かれの長い作品系列のなかでも、一種特別な位置をしめていると言っていい。
やすんでけたところさへ大抵たいてい其儘そのまゝにしてはふつていた。かれ下宿げしゆくつくゑうへに、このノートブツクを奇麗きれいげて、何時いつても整然せいぜん秩序ちつじよいた書齋しよさいからにしては、そと出歩であるいた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
よくもかゝ絶島ぜつたうにかくまで整然せいぜんたる凖備じゆんび出來できことよとあやしまるゝばかりで、これしよ機械きかいしよ材料ざいりようは、すべて二ねん以前いぜんに、櫻木大佐さくらぎたいさ大帆船だいはんせんなみ江丸えまる搭載たうさいして、このしま運搬うんぱんきたつたもので
そして、それらは旗鼓きこ整然せいぜんと、時もひとつに、大江の一点へ流れていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土藏の中は整然せいぜんとして、物の亂れた樣子は少しもなかつたのです。
この魚形水雷ぎよけいすいらいは、その全長ぜんちやうわずかに二ヒートインチ最大さいだい直徑ちよくけいインチぎず、これ今日こんにち海戰かいせんもつぱおこなはるゝ保氏魚形水雷ホルランドしぎよけいすいらいすると、そのおほいさは七ぶんの一にもらぬが、氣室きしつ浮室ふしつ尾片等びへんとう設備せつび整然せいぜんとして