“きちん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
木賃39.2%
整然33.3%
端然13.7%
端正5.9%
木賃宿5.9%
斉然2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは「馬までも」という言葉で推しはかる事が出来る。作者一茶の如きはその馬にも劣りて、いつも木賃きちんに泊ったものである。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
白地に濃い葡萄色の矢絣やがすりの新しいセルの単衣に、帯は平常ふだんのメリンス、その整然きちんとしたお太鼓が揺めく髪に隠れた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
端然きちんと坐ってると、お組が、精々気を利かしたつもりか何かで、お茶台に載っかって、ちゃんとお茶がその前へ二つ並んでいます……
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
羽織はなしに居ずまいも端正きちんとしたのを、仕事場の机のわきへ据えた処で、……おなじ年ごろの家内が、糠味噌ぬかみそいじりの、たすきをはずして、渋茶を振舞ってみた処で、近所のすしを取った処で
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
江戸へつくと、百は、場末の木賃宿きちんに泊りこんで、あくる日から、小柄の売口をさがしあるいた。——といっても、破門された体なので、刀屋や本阿弥ほんあみすじへは、向けられない。
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
緑の樹蔭こかげに掩はれた村、肥えて嬉々きゝとして戯れてゐる牧獣や家禽かきんの群、薫ばしい草花に包まれた家屋、清潔に斉然きちんと整理された納屋や倉、……よみがへつた農業! 愚昧ぐまいな怠慢な奴隷達から開放された
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)