“木賃宿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きちんやど91.7%
きちん8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それに木賃宿きちんやどのねどこのどんなにかたいことであろう。(もう二度とアーサとも遊べないし、その母親のやさしい声も聞くことはできない)
宿屋というても木賃宿きちんやどで本当の宿屋はチベットには一軒もない。ヤクのふんを貰ったその賃を払うだけですから糞賃宿ふんちんやどというてもよいです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
汚い木賃宿きちんだの、馬飼の馬小屋だの、その前に立ってののしっている侍だの、川魚を桶にならべて売る女だの、雑多な旅人の群れだのが、秋のはえと一緒になって騒いでいる。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江戸へつくと、百は、場末の木賃宿きちんに泊りこんで、あくる日から、小柄の売口をさがしあるいた。——といっても、破門された体なので、刀屋や本阿弥ほんあみすじへは、向けられない。
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)