“蠅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はえ82.5%
はへ6.0%
はい6.0%
ばえ1.0%
はひ1.0%
ばへ1.0%
よう1.0%
なわ0.5%
ハイ0.5%
ハエ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蜻蛉(とんぼ)や蠅(はえ)でなければ行けない何物かの断層面にも似ていた。それを展望している間に驚くべき早さで三分間の時間が消去されたのだ。
またそれ蠅(はへ)は厭(いと)ふべし、然れどもこれを花片(はなびら)の場合と仮定せよ「木の下は汁(しる)も鱠(なます)も桜かな」食物を犯すは同一(おなじ)きも美なるが故(ゆゑ)に春興たり。
醜婦を呵す (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
こんなうるさい蠅(はい)でも、道連(みちづ)れとなれば懐(なつ)かしく思(おも)はれたかして、木曾(きそ)の蠅(はい)のことを發句(ほつく)に讀(よ)んだ昔(むかし)の旅人(たびゞと)もありましたつけ。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そういったら逃げるだろうと思いのほか、相手は、ふき出して、又八のほうへ尻を向け、矢来のうちのガチャ蠅(ばえ)を呼び立てた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うるせえ、ちと彼方(あつち)へ行(い)つててくれ」と言(い)ひました。虻(あぶ)のやんちやん、そんなことは耳(みゝ)にもいれず、ますます蠅(はひ)などまで呼集(よびあつ)めて飛(と)び廻(まは)つてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
ここに萬(よろづ)の神の聲(おとなひ)は、さ蠅(ばへ)なす滿ち、萬の妖(わざはひ)悉に發(おこ)りき。
「これに次いで字を識り文を作るの徒を募り、博物材技の流を雇わん。ここにおいて利を知りて義を知らず、書を知りて道を知らざるの人、翕然(きゅうぜん)として附同し、蟻集して蠅(よう)集せん」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
「くわしいことは話していられませんが、何しろ、大変なさわぎ、あの、日本左衛門がネお嬢様、天運つきて、とうとう蠅(なわ)にかかったんです」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
フン! 他人(フト)に辛口(カラグヂ)きグ隙(シマ)ネ自分の飯(めし)の上の蠅(ハイ)ホロガネガ。十年も後家立デデ、彼方(アヂ)の阿母(オガ)だの此方(コヂ)の阿母(オガ)だのガラ姦男(マオドコ)したの、夫(オド)ゴト盜(ト)たド抗議(ボコ)まれデ、年ガラ年中肝(きも)焦(や)ガヘデだエ何なるバ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
ノッソリ出(デ)テ来(キ)テ、蠅(ハエ)タタキノ如(ゴト)ク、バタットヤッテ、ウムヲ言(イ)ワサヌ。五百枚(ゴヒャクマイ)。良心(リョウシン)。今(イマ)ニ見(ミ)ヨ、ナド匕首(アイクチ)ノゾカセタル態(テイ)ノケチナ仇討(アダウ)チ精進(ショウジン)、馬鹿(バカ)、投(ナ)ゲ捨(ス)テヨ。島崎藤村(シマザキトウソン)。島木健作(シマキケンサク)。
創生記 (新字新仮名) / 太宰治(著)