“螽蟖”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きりぎりす66.7%
ばつた8.3%
きり/″\す8.3%
こほろぎ8.3%
ばった8.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
六番の美男の東海さんは「螽蟖きりぎりすみたいな、あんな女のどこが好いのだ。おい」と、ぼくの面をしげしげとのぞいてたずねます。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
鶉や、のがんや、鴎や、さては、螽蟖きりぎりすなど無数の虫どもが、とりどりの声をあげて鳴き出し、はからずも渾然たる合奏をなして、何れもが束の間も休まうとしない。
その笑い声が、あまり時ならぬものでしたから、びッくりしたのは、かんたんや螽蟖きりぎりすばかりではありません。野伏かなんぞのように、すすきの根元へ身をかがめていた男が、
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たけのびた雑草の緑にまじって、萩だの女郎花おみなえしだの桔梗ききょうだのの、秋草の花が咲いている、飛蝗ばった螽蟖きりぎりす馬追うまおいなどが、花や葉を分けて飛びねている。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
日盛りに、螽蟖きりぎりすが酔いどれていた。
蜻蛉とんぼがからんだ、螽蟖ばつたがセ、栗鼠りすが駈け出す、とんびがセ、
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
蜻蛉とんぼがからんだ、螽蟖ばつたがセ、栗鼠りすが駈けだす、鳶がセ、
畑の祭 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
蛇、蜥蜴とかげ螽蟖きり/″\す、そんなものが、偶然に出來た塵塚を棲家にして、夏盛んに繁殖する。
ごりがん (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
源氏が六條のほとりの、夕顏の宿やどに寢て、はしぢかにきこえてくる、物賣りの聲や、町人の話聲や、夜明けに隣家の下僕が嚔をするのや、唐臼からうすの音がとどろいてくるのや、螽蟖こほろぎが枕上ちかく飛んでくるのを見るあたりの、あの心持や、その書きかたが心憎いほどにまざまざと浮びあがつてくるのだつた。
夏の夜 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
恰度ちょうど鷺太郎が、その横まで通りかかって行った時だ。テントの中から、妹らしい少女が、熱い砂の上を、螽蟖ばったのように跳ねながらやって来て、
鱗粉 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)