“蜻蛉”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
とんぼ83.6%
あきつ6.7%
とんぼう5.1%
あけづ1.5%
かげろう1.5%
あきづ0.5%
かげろふ0.5%
やんま0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一輪深きふちの色とうたはれけむ朝顔の、闌秋らんしう化性けしやうしたる如き桔梗ききやう蜻蛉とんぼの眼球の如き野葡萄のぶだうの実
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
“急ぎ暗号をもちて申上げます例の男は”——ここまでで二十五字となる。これだけでは文章が尻切れ蜻蛉とんぼだ。その先はどこに隠れているのだろう。
蜻蛉とんぼの羽根と胴体を形づくる処のセルロイド風の物質は、セルロイドよりも味がデリケートに色彩と光沢は七宝細工しっぽうざいくの如く美しい。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
「この大地は、島山になっております。蜻蛉あきつの形をしたこの島山の胴のまん中に、岩と岩との幅広いれ目の溝があって、そのあわいから、わたくしは生い立たせられつつあるのを見出したのでした」
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
淮南わいなんの一水にも、秋色は澄み、赤い蜻蛉あきつが、冴えた空に群れをなして舞う。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歳月としつきは かなしきかなや うるはしの み子らほろびて 蜻蛉あきつながるる
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
久「蜻蛉とんぼうの出る時分に野良のらへ出て見ろ、赤蜻蛉あかとんぼ彼方あっちったり此方こっちへ往ったり、目まぐらしくって歩けねえからよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
白昼まひるの秋の日は荒れた草むらを薄白く照らして、赤い蜻蛉とんぼうが二つ三つ飛んでいる。それを横眼にみながら彼は黙って俯向いていると、侍女どもは交るがわるに京の名所などを訊いた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
あれは何だ、と学校でも先生様が叱らしゃりますそうなが、それでめますほどならばの、学校へく生徒に、蜻蛉とんぼう釣るものもりませねば、木登りをする小僧もないはず——一向に留みませぬよ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蜻蛉あけづが一匹
都会と田園 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
蜻蛉あけづが一匹
雨情民謡百篇 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
蜻蛉あけづ
別後 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
すもものいらいらした肌にぴいんと立ち、蜻蛉かげろうのように震え、やがて停った。
お小姓児太郎 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
こんなついででもないとその記録ものこし得られぬから、退屈しのぎにその例を並べて見ると、古い所では『蜻蛉かげろう日記』にクツクツボウシ、『散木奇謌集さんぼくきかしゅう』にはウツクシヨシと鳴くとある。
康頼 まるで蜻蛉かげろうのようにやせている。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
ここに、あむ御腕ただむきひけるを、すなはち蜻蛉あきづ來て、そのあむひて、びき。
その虻を 蜻蛉あきづひ、
綾羅りようらの袂ゆたかにひるがへるは花に休める女蝶めてふの翼か、蓮歩れんぽふしきふなるは蜻蛉かげろふの水に點ずるに似たり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
番士たちは、ッけにとられた。眼のくらんだ蜻蛉やんまのように、武蔵は飛んでゆくのだ。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)