“蜻蛉”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とんぼ84.1%
あきつ6.3%
とんぼう5.3%
あけづ1.4%
かげろう1.4%
あきづ0.5%
かげろふ0.5%
やんま0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蜻蛉とんぼはえでなければ行けない何物かの断層面にも似ていた。それを展望している間に驚くべき早さで三分間の時間が消去されたのだ。
淮南わいなんの一水にも、秋色は澄み、赤い蜻蛉あきつが、冴えた空に群れをなして舞う。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
久「蜻蛉とんぼうの出る時分に野良のらへ出て見ろ、赤蜻蛉あかとんぼ彼方あっちったり此方こっちへ往ったり、目まぐらしくって歩けねえからよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
こんなついででもないとその記録ものこし得られぬから、退屈しのぎにその例を並べて見ると、古い所では『蜻蛉かげろう日記』にクツクツボウシ、『散木奇謌集さんぼくきかしゅう』にはウツクシヨシと鳴くとある。
すなはち阿岐豆野あきづのにいでまして、御獵したまふ時に、天皇、御呉床にましましき。ここに、あむ御腕ただむきひけるを、すなはち蜻蛉あきづ來て、そのあむひて、びき。
綾羅りようらの袂ゆたかにひるがへるは花に休める女蝶めてふの翼か、蓮歩れんぽふしきふなるは蜻蛉かげろふの水に點ずるに似たり。折らば落ちん萩の露、ひろはば消えん玉篠たまざゝの、あはれにも亦あでやかなる其の姿。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
番士たちは、ッけにとられた。眼のくらんだ蜻蛉やんまのように、武蔵は飛んでゆくのだ。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)