“かげろふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カゲロフ
語句割合
陽炎84.4%
蜉蝣6.7%
玉蜻2.2%
絲遊2.2%
蜻蛉2.2%
遊絲2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
田圃でも日向のよい箇所は、所々土が雪より現はれます陽炎かげろふが立ちまする有様、陽気が土中より登りて湯気の如くに立ちのぼる。
政治の破産者・田中正造 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ありもせば、こは蜉蝣かげろふのかげのかげ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ほそきことごと玉蜻かげろふふ。をんなかすかあを瓔珞やうらくかゞやかしてへば、やますゝき差覗さしのぞきつゝ、やがてつきあきらかにづ。
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それ、ひめせた。おゝ、あのやうなかるあしでは、いつまでむとも、かた石道いしみちるまいわい。戀人こひびとは、なつかぜたはむあそぶあのらちもない絲遊かげろふのッかっても、ちぬであらう。
綾羅りようらの袂ゆたかにひるがへるは花に休める女蝶めてふの翼か、蓮歩れんぽふしきふなるは蜻蛉かげろふの水に點ずるに似たり。折らば落ちん萩の露、ひろはば消えん玉篠たまざゝの、あはれにも亦あでやかなる其の姿。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
それがかへつて未だ曾て耳にしたためしのない美しい樂音を響かせて、その音調のあやは春の野に立つ遊絲かげろふの微かな影を心の空にゆるがすのである。
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)