“蜉蝣”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かげろう40.9%
ふゆう22.7%
かげろふ13.6%
ふいう9.1%
ひおむし4.5%
ふゆ4.5%
ぶゆ4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
蟆子ぶよ蜉蝣かげろうや蜂が飛んでいたが、それらの昆虫の翅や脚などをも輝かせて、いかにも楽しく躍動している「春の魂」のように見せた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もしさいわいにして大王敗れたまわずして功成りたまわば、後世の公論、大王を如何いかんの人とい申すべきや。巍は白髪の書生、蜉蝣ふゆう微命びめい、もとより死をおそれず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
何千万と数限なき蜉蝣かげろふが川の真中、幅三間位の処を、列を連ねて真白に飛び登り一時間か半もたちますると、早や流れ下りました。
政治の破産者・田中正造 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
それから某君によりて昆蟲の標本を示され、美しい蝶、命短い蜉蝣ふいうの生活等につき面白い話を聞いた。にれの蔭うつ大學の芝生、アカシヤの茂る大道の並木、北海道の京都札幌は好い都府である。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
「そんなことはいやだ。こちらも氷魚ひおとか蜉蝣ひおむしとかに変わらないはかない人間だからね」
源氏物語:47 橋姫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
さばれいきとし生ける者、何かは命を惜まざる。あしたに生れゆうべに死すてふ、蜉蝣ふゆといふ虫だにも、追へばのがれんとするにあらずや。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
く息あたかもにじのごとしで、かッと鼬に吹掛ける。これとても、蜉蝣ぶゆを吸うような事ではござらん、かたのごとき大物をせしめるで、垂々たらたらと汗を流す。濡色が蒼黄色あおぎいろに夕日に光る。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)