熊の足跡くまのあしあと
勿來 連日の風雨でとまつた東北線が開通したと聞いて、明治四十三年九月七日の朝、上野から海岸線の汽車に乘つた。三時過ぎ關本驛で下り、車で平潟へ。 平潟は名だたる漁場である。灣の南方を、町から當面の出島をかけて、蝦蛄の這ふ樣にずらり足杭を見せた …
作品に特徴的な語句
あはひ わたし 阿母おかあさん おのづ ものい うしろ はた くろず かう つらま たつた しやが きと 其樣そう あたら うご わたり がう さあ むす 瀟洒さつぱり 蜉蝣ふいう ごく 曩日なうじつ 斯樣こんな あわ いこ 如何どう ざあ 周圍めぐり ちな 地楡われもかう 立上のぼ 茶店さてん またゝ 荊棘けいきよく 巴形ともゑなり まいる 薄荷はつか 玫瑰まいくわい くすぶ したゝ 丘上をかのうへ 清水しみづ 洋傘かさ いきどほ おぶ 賑合にぎはひ かしは 加之しかも ぎい 旭川あさひがは おく 朦朧まうろう 喇叭らつぱ かげ 七飯なゝえ 紫衣しえ せま 磐城いはき 硫黄いわう 茶路ちやろ くろ 藁苞わらつと 黛色たいしよく 淡路あはぢ 蝦蛄しやこ 一柄いつぺい 蟠居ばんきよ 行脚あんぎや 水際みぎは 水草みづくさ 比布ぴつぷ 檞樹かしはのき またが 五歳いつゝ 鰹舟かつをぶね 桔梗ききやう 倏忽たちまち 札幌さつぽろ 岩木いはき 平潟ひらがた 幽凄いうせい 岬角かふかく かけ しん フイート 青黝あをぐろ 雛妓おしやく 隧道とんねる 小樽をたる 弓弭ゆはづ 大鰐おほわに 最早もう