“阿母”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おっか37.1%
おふくろ25.7%
おつか10.3%
おかあ6.3%
おっかあ4.6%
おっかさん1.7%
おか1.7%
おつかあ1.7%
おッか1.1%
かあ1.1%
おかあさん1.1%
あぼ1.1%
おかア0.6%
おつかさん0.6%
オガ0.6%
あかあ0.6%
あツばあ0.6%
あツぱあ0.6%
おかん0.6%
おば0.6%
はゝ0.6%
ふくろ0.6%
アバ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの時お前のおとっさんは、お前の遣場やりばに困って、阿母おっかさんへのつらあてに川へでも棄ててしまおうかと思ったくらいだったと云う話だよ。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
まして現在の阿母おふくろ様の身になったら、その不釣合も愈よ眼に立つことであろう。若いお内儀さんも可哀そうに思われることであろう。
黄八丈の小袖 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
『マア然うですか、阿母おつかさんも御一緒に! ……それにしても立見さんの方よりは窮屈でない訳ですわねえ、当分の事ですから。』
札幌 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
あるとき、うちの者はみんな外出して、酒井氏と氏の阿母おかあさんとたつた二人で留守番をしてゐたことがあつた。氏は煙草が飲みたくなつた。
「おお、お亀さんか。久しく見えなかったね。お蝶坊も好い新造しんぞになったろう。あの子もおとなしく稼ぐようだから阿母おっかあもまあ、安心だ」
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
死ぬる二三日前、彼女はぶらりと起きて来て、産後の弱った体で赤ん坊を見て居る母のうしろに立ち、わたしが赤ん坊を見て居るから阿母おっかさんは少しお休みと云うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
此処へも電気けんと、どんならんなア。阿母おかアはんは倹約人しまつややよつて、点けえでもえゝ、と言やはるけど、暗うて仕様がおまへんなをツさん。
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
「死ぬことは分つて居るのやさかい、一日でも早う亡くなつて呉れりや宜いと、俺も阿母おつかあもさう言つて居れど。」
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「あれは白じゃないねえ、阿母おッかさん? もッと小さいいぬの声だねえ? 如何どうしたんだろう?」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「あら! ……」と忽ち機嫌を損ねて、「だから阿母かあさんは嫌いよ。じきああだもの。尋常ただのじゃ厭だって誰も言てやしなくってよ。」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼は平生一滴も飲まぬが、今日はせめてもの事に阿爺おとうさん阿母おかあさんと盃の取りやりをしるしばかりした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
あのお邸の中に桑木厳翼げんよくさんの阿母あぼさんのお里があって鈴木とかいった。その鈴木の家の息子がおりおり僕の家へ遊びに来たことがあった。
僕の昔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『——でもわたしそのくになんといふくにだかその人達ひとたちいてやりたいわ。ねえ阿母おかアさん、ニューズィーランドでせう、それともオーストレリア?』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
れも皆な先生の御蔭様おかげさまなんですからねエ——其れに阿母おつかさん、兼さんから消息おたよりがありましテ、私、始終しじゆう気になりましてネ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ンガオド何歳ナンボだバ。ワイのナ今歳コドシ二十六だネ。なにわらふんダバ。ンガ阿母オガあねダテ二十歳ハダヂしたヲドゴたけアせ。だけアそれほどチガはねエネ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
「竹さん、ほんまに早うおいなはらんか。……阿母あかあさんが今落ち入らはりますんやがな。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
と思ふと、両親の顔や弟共の声、馬の事、友達の事、草刈の事、水汲の事、生れ故郷がつまびらかに思出されて、お定はじつと涙の目を押瞑おしつぶつた儘、『阿母あツばあ、許してけろ。』と胸の中で繰返した。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と思ふと、兩親の顏や弟共の聲、馬の事、友達の事、草苅の事、水汲の事、生れ故郷が詳らかに思出されて、お定はぢつと涙の目を押瞑おしつむつた儘、『阿母あツぱあ、許してけろ。』と胸の中で繰返した。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
あんたの阿母おかんの來やはつた時は、えらいこツちやツた。七でなア。……今でも納戸なんどにおまツしやろ、あの箪笥や長持は皆阿母おかんが持つて來やはつたんや。あの長押なげしに掛けたある薙刀なぎなたも。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
阿母おばさん、あなたは大変いい村をお持ちですねえ。農奴はどの位おありなんですか?」
(鶏の面輪は 阿母はゝの俤あつて 床しい)
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
「お阿母ふくろの一周忌だよ、ちゃンと届けたじゃないか」
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)
だケエに十年も後家ごけ立デデせ、ホガガらワラシもらわらの上ララそだデデ見デも、羸弱キヤなくてアンツクタラ病氣ネトヅガれデ死なれデ見れば、派立ハダヂ目腐めくさ阿母アバだケヤエに八十歳ハチヂウ身空みそらコイデ
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)