“おば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
叔母33.6%
伯母27.2%
小母26.5%
4.9%
尾羽1.4%
御叔母1.1%
1.1%
老媼1.1%
0.7%
0.4%
老女0.4%
老母0.4%
0.4%
阿姨0.4%
阿母0.4%
鴇母0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ただいま。叔母おばさんのいえからだいぶはなれていましたから、いきませんでした。三けんばかりけて、やっといましがたえました。」
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
曾祖母ひいばあさん、祖父おぢいさん、祖母おばあさん、伯父おぢさん、伯母おばさんのかほから、奉公ほうこうするおひなかほまで、家中うちぢうのものゝかほ焚火たきびあかうつりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
幸に妙了の女姪めいが一人富田十兵衛とみたじゅうべえというもののさいになっていて、夫に小母おばの事を話すと、十兵衛は快く妙了を引き取ることを諾した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あなたのことはかねてたき竜神りゅうじんさんからうかがってります……。ではお言葉ことばしたがってこれからお邪魔じゃまいたそうか……。雛子ひなこ、このおばさまに御挨拶ごあいさつをなさい。
ところで、極彩色の孔雀くじゃくがきらきらと尾羽おばまるくひろげた夏の暑熱しょねつと光線とは、この旅にある父と子とをすくなからず喜ばせた。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
「だれが? 御叔母おばさんが? 鉄砲玉でたくさんよ。だから早く御嫁を持たしてしまわないとどこへ飛んで行くか、心配でいけないんです」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あはれ、あはれ、深江ふかえおばよ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
割木わりきほどのこと大臺おほだいにしてしかりとばさるる婢女はしたつらや、はじめ受宿うけやど老媼おばさまが言葉ことばには御子樣おこさまがたは男女なんによにん、なれども常住じやうぢう家内うちにおいであそばすは御總領ごそうりやうすゑ二人ふたり
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「じゃ戦争の終りに、この湾でおばれて死んだ水兵のことを、覚えてるかね。覚えてないだろうね」
幻化 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
呉はおばの墓がそのあたりにあるような気がしたが、何も墓らしいものが見えないので、疑い怪しみながら帰って来た。
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
よかったよ。僕はまただれかと思ったら、僕のおばむすめさ、すなわち君の従妹じゃないか。ちょうどもらい手を探していたところだよ。身内で結婚する嫌いはあるが、わけを
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「先生、渡辺の老女おばさんがお待ちなされてです」と呼ばれる大和の声に、彼は沈思のおもてを揚げて「其れは誠に申訳がありませんでした」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
おもむろにもたげて鉄縁の近眼鏡めがねごしに打ちながめつ「あア、老女おばさんですか、大層早いですなア——先生は後圃うらで御運動でせウ、何か御用ですか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「私の様なものはても世間へ面出かほだしが出来なからうと思ひましてネ、いつそ御迷惑さまでも、おうちで使つて戴いて、大和さんや、老母おばさんに何か教へて戴きたいと考へますの——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「それからネ、老女おばさん」と、お花は明朝あすの米かしぐ手をばし休めつ「歩きながらのお話に、此頃湖月で話した兼吉の老母はゝうちへ来て居ると先生様がつしやるぢやありませんか、老母おばさん、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
遺産は全部おばの所有となり、妻はあと片附けをすっかりすませると、故郷くにのイタリーへ帰って往ってしまいました。そして私はまるではだかで、ジョホールにたった一人取り残されてしまったのです。
鉄の処女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
弟は走りて 軍に従い 阿姨おばは死し
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿母おばさん、あなたは大変いい村をお持ちですねえ。農奴はどの位おありなんですか?」
私は自分の女を択ぶことを、『酒場さん』なる鴇母おばさんに催促された。私は大勢の女の一等後の方で、蒼い顔をして外っぽを向いている、痩せた女を指してしまった。