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おば
ふりがな文庫
“
姨
(
おば
)” の例文
新一は
姨
(
おば
)
さんが睡っても、己は決して睡るまいと思って気を張っていたが、これも気を張ったなりに何時の間にか睡ってしまった。
狐の手帳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
あなたの
事
(
こと
)
はかねて
滝
(
たき
)
の
竜神
(
りゅうじん
)
さんから
伺
(
うかが
)
って
居
(
お
)
ります……。ではお
言葉
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
ってこれからお
邪魔
(
じゃま
)
を
致
(
いた
)
そうか……。
雛子
(
ひなこ
)
、この
姨
(
おば
)
さまに
御挨拶
(
ごあいさつ
)
をなさい。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「私がここへ来たのは、
姨
(
おば
)
さんを見舞いに来たのですよ。ついあわてたものですから、苗字を忘れたのですよ。」
嬰寧
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
ヨシ先がその気なら
此方
(
こっち
)
もその気だ、
畢竟
(
ひっきょう
)
姨
(
おば
)
と思えばこそ甥と思えばこそ、言たい放題をも言わして置くのだ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
越後の
蓮華寺
(
れんげじ
)
村の
姨
(
おば
)
が井という古井戸などもその一つで、そこでも人が井戸の
傍
(
そば
)
に近よって、大きな声でおばと呼ぶと、
忽
(
たちま
)
ち井戸の底からしきりに
泡
(
あわ
)
が浮んで来て
日本の伝説
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
天象、地気、草木、この時に当って、人事に属する、赤いものと言えば、読者は直ちに田舎娘の
姨
(
おば
)
見舞か、酌婦の
道行振
(
みちゆきぶり
)
を瞳に描かるるであろう。いや、いや、そうでない。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どうせ
姨
(
おば
)
さんには子供はあるまいから、僕の子供を
嬶
(
かかあ
)
と二人で世話するとして、お前は畠を作ったり本を読んだりするんだね。そして馬を一疋飼おうじゃないか。……お前は馬に乗れるかい?
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
イルゼの
姨
(
おば
)
さんは石に据わって番をしてくれる。7680
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
公子の妹の嬌娜と
姨
(
おば
)
の
松姑
(
しょうこ
)
が伴れだって来た。親子はいそいで
内寝
(
いま
)
へ入った。しばらくして公子は嬌娜を伴れて来て孔生を見せた。
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「私がそう思っていたのは、久しい間のことだよ。ただ私は、遠くへいけないから、お前さんが伴れて、
姨
(
おば
)
さんに見知らせてくれると、好い都合だよ。」
嬰寧
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
いかにも案外と、
本意
(
ほい
)
ない様子で、近所へ療治を頼まれて行っている、いまにも帰るでしょう。
姨
(
おば
)
がという。尼刀自の事です。お顔を見たら、どんなに喜ぶか知れません。女中も迎いに出しました。
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『でも
姨
(
おば
)
さまは
私
(
わたくし
)
を
可愛
(
かわい
)
がってくださいますもの……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
... 自堕落者揃いだ。
姨
(
おば
)
にしても
嫂
(
あね
)
にしても。……私だってこれで老父さんには敗けないつもりだからねえ」……「
向家
(
むこう
)
の阿母さんが木村の婆さんに、今度工藤の兄さんが脳病で帰ってきたということだが、工藤でもさぞ困ることだろうと言ってたそうなが、考えてみるとつまり脳病といったようなもんさね。ヒヒヒ」
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
新一は肩のあたりを揺り動かされて眼を覚したが、その起している者が
姨
(
おば
)
さんだと云うことを知ると、きっと怪しい奴が来ているなと思った。
狐の手帳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
王はひどく喜んで、すぐ入っていきたいと思ったが、
姨
(
おば
)
の名も知らなければ往復したこともないので、何といって入っていっていいかその
口実
(
こうじつ
)
がみつからなかった。
嬰寧
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
「
姨
(
おば
)
さん、殺して……殺して……」
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「よし、吉公の云ったように、鼠取を使ってやろう、
姨
(
おば
)
さんなんかに黙ってて、一人でそっとやってやれ」
狐の手帳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
その時、王の
姨
(
おば
)
にあたる老婆があった。それは沈の姉であった。年は六十あまりであった。
珊瑚
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
「いや、今晩は、みょうに
厭
(
いや
)
な晩だから」と、云って政雄は
四辺
(
あたり
)
をきょときょと見ていたが、「
姨
(
おば
)
さん、今晩は陰気でしょうがない、気のどくだが、二階へ往って、
燈
(
ひ
)
を
点
(
つ
)
けてくれないか」
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それは
己
(
じぶん
)
の
姨
(
おば
)
さんのような温みのある
詞
(
ことば
)
であった。少女の微笑が聞えた。
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
彼処
(
あすこ
)
の
姨
(
おば
)
さんの眼を見ろ、光っているじゃないか」
村の怪談
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
姨
(
おば
)
さん、もう寝たの」
女の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
姨
漢検1級
部首:⼥
9画
“姨”を含む語句
姨捨山
姨捨
阿姨
姨娘
姨君
姨夫
御姨玉依比売
玉姨
老姨