“燈”のいろいろな読み方と例文
新字:
読み方(ふりがな)割合
30.7%
ともしび21.5%
あかり19.8%
とも11.5%
ともし5.6%
とう2.9%
あか2.7%
あかし2.0%
とぼ0.7%
アカシ0.7%
(他:8)1.9%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“燈”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語8.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌4.4%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
颯々さっさつと墨のような松風の中に、何やら無念をのこしているような、客間のかすかにまたたいていた。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
古い柱のはしのような木の台の上にカンテラの微紅うすあかく燃えていた。益雄はその燈の傍へ往って坐った。
草藪の中 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
とただ懐かしげに嬉しそうにいう顔を、じっと見る見る、ものをもいわず、お民ははらはらと、薄曇るともしびの前に落涙した。
女客 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「もうよかろう」と心でいって、四辺あたりひそかに見廻した時には、追分宿は山に隠れ、ともしび一つ見えなかった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「千年の桑かの。川の底もはかられぬ。あかりも暗いわ、かわうそも出ようず。ちとりさっしゃるがい。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そこから孟買の港に船遊びする富限者船のあかりが明滅するのを眺めながらサルーンから響いてくる音楽と歓談の声を聞いた。
孟買挿話 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
灯火あかりはいらなかった。ともしてもすぐ風に消えるであろうし、やがて宵月が、海を離れて、彼の顔までして来た。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに、武蔵の寝ているまわりには、木屑がいっぱい散らかっていて、ともしきって、油のかわいた燭台もまだ片づけてない。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それから後この松の下に神を祀り、また夜啼きをする子の家では、その小枝を折って来てともしの火にするという所もあります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
素袍のしゃに透通る、ともしの影に浅葱あさぎとて、月夜に色の白いよう、多一は照らされた面色おももちだった。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大日如来くだんの四仏を供養せんとてこうとうの四菩薩を流出す(外四供養そとのしくよう)、とは、
時計屋とけいやの店には明るくネオンとうがついて、一びょうごとに石でこさえたふくろうの赤いが、くるっくるっとうごいたり
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ぼんやりしたあかりをむそうに提げている百トンあまりの汽船のともの方から、見えない声が不明瞭になにか答えている。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
あかりに反いた内匠の顏は、心持少し蒼くは見えますが、決然たる辭色じしよくは、それにも拘らず、寸毫すんがうの搖ぎもありません。
例の如く湯にりて、あがればぢきぜん持出もちいで、あかしも漸く耀かがやきしに、かの客、いまだ帰りず、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お峯は柱なる時計を仰ぎぬ。あかしともるには未だ間ありと見るなるべし。直行は可難むづかしげにまゆを寄せ、くちびるを引結びて、
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
母人はまた母人で、この隱居を助けて、夜通し普請の折の木の片をとぼし、それを油火に替へたとやら。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その他いろいろの飾物があるのみならず、本堂の中には三千五千のバタの燈明がとぼって居るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
暗いみアカシの光りの代りに、其頃は、もう東白みの明りが、部屋の内の物の形を、朧ろげに顯しはじめて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
暗いみアカシの光りの代りに、其頃は、もう東白みの明りが、部屋の内の物の形を、朧ろげに顯しはじめて居た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
傍で双眼鏡を手にしているライトラアがそう言うので、ボクソウルもモウルスランプを持出して求援の意味の閃火フラッシュを送った。
運命のSOS (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
ここで私は再び欧風の食物と、腰をかける可き椅子と、物を書く可き石油ランプをのせた卓子テーブルとを見出した。
明るく燈火ともしびもってい、食べ散らし飲み散らした盃盤が、その燈火に照らされて乱雑に見え、二人ながらいい加減酔っているらしい。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
薄金うすがねで作った吊鐘形つりがねがたの——それに把手とってが付いているので——戦場にでも雨の夜行にでも持ち歩けるがんどうとよぶ燈具だった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
津賀閑山の古道具店、おもての大戸の一枚が一尺ほど引きあけられて、赤っぽいもれがぼんやり往来を照らしているんだが、通りがかりに何げなくのぞいた文次は、そのままぴったりそこへとまってしまった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
それにはほのおがあって五色のあやをつくり、その光は空間を照らしていた。
続黄梁 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
人麿の御像ミザウのまへに 机すゑ、トモシビかゝげ 御酒ミキそなへおく﹆
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)