“あかし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アカシ
語句割合
明石35.9%
28.1%
7.0%
4.7%
燈火4.3%
3.1%
証明3.1%
証拠2.0%
1.2%
燈明1.2%
灯火0.8%
證明0.8%
明証0.4%
燭火0.4%
證者0.4%
赤石0.4%
仏燈0.4%
保証0.4%
光燈0.4%
反証0.4%
御灯0.4%
御燈0.4%
明白0.4%
灯明0.4%
燈灯0.4%
0.4%
確証0.4%
神光0.4%
証人0.4%
証言0.4%
証詞0.4%
證左0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
稲日野いなびぬ印南野いなみぬとも云い、播磨の印南郡の東部即ち加古川流域の平野と加古・明石あかし三郡にわたる地域をさして云っていたようである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いや、争う場合に、切り落されるという例もままあるから、その指は、あまりあかしにはならぬ。もっと重要なことは、女の髪油のにおいだ。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一座は固唾かたずを呑みました。夕づく陽は縁側にって、棺の前のあかしが次第に明るくなると、生温なまぬるい風がサッと吹いて過ぎます。
彼は生命いのちの新たなるころまことの力すぐれたれば、そのすべての良き傾向かたむきは、げにめざましきあかしとなるをえたりしものを 一一五—一一七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
家来けらいランプをともして持ちきたり、置いて帰りく。)ええ、またこの燈火あかしが照すと、己の部屋のがらくた道具が見える。
おろしに吹きさらされて、荒草深い山裾の斜面に、万蔵法院まんざうはふゐんのみあかしの煽られて居たのに目馴れた人たちは、この幸福な転変に目を睜つて居るだらう。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
とある(希伯来ヘブライ書十一章三十六—三十八節)、是れ初代の信者の多数の実験せし所であって、キリストを明白に証明あかしして
たゞ此の文と直江志津の一刀のみは鐘楼の鐘の下に伏せ置き、後日の証拠あかしとし、世の疑ひを解かむ便よすがとせむ心算つもりなり。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
變なことをしちやかへつて爲にならねえ、默つて主人に取次いで、どうして鈴を集めたか、仔細を話してあかしを立てなきア、何んな事になるか判らないぜ
見る間に不動明王の前に燈明あかしき、たちまち祈祷きとうの声が起る。おおしく見えたがさすがは婦人おんな,母は今さら途方にくれた。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
そもじの手は、もう動きませぬか、この白い、美しい臥床ふしどを選んで、いまこそ、そもじとわらわは(八字削除)、フローラ、私はこの手で、そもじの灯火あかしを消すまいと、腕を回しているなれど……
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
すなはもの證明あかしなり
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
よもや、慈悲太郎が聴いた、足音の明証あかしを忘れはすまいな。だれか、早う、この者のくつを脱がすのじゃ
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
その明証あかしこそ昨夜まざまざとひとみに映った、父の腕ではないか。
紅毛傾城 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
わし居間ゐま燭火あかして! はれやれ、おそうなったわい、こりゃやがておはやうとはねばなるまい。……さゝ、おやすみなされ。
もっと燭火あかして、家來共けらいども! 食卓テーブルたゝんでしまうて、せ、あま室内ざしきあつうなったわ。……あゝ、こりゃおもひがけん慰樂なぐさみであったわい。
わが證者あかしたれ、妙齡のブリセーイスに我觸れず
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
ヘーレーのつま、霹靂を飛ばす天王、證者あかしたれ
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
堤に上りて下れば即海辺の石砂平遠なり。すべて是赤石あかしの浦といふ。石上に坐するに都て土塵なし。波濤来りて人を追がごとし。海面一仮山のごときものは淡路島なり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
赤石あかし総門を出て赤石川を渡り皇子くわうじ村を経て一里半大久保駅、三里半加古川駅にいたる。一商家に小休す。駅吏中谷三助(名清なはせい字惟寅あざなはゐいん号詠帰えいきとがうす、頼春水の門人なり)来訪、頼杏坪きやうへいの書を達す。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
藤孝は、仏間ぶつまにはいって、信長の霊に誓の仏燈あかしを捧げ、その日に、黒髪をろしてしまった。
六 ねがはくは一日も早く世界を見、世界のふみを読み、世界の刺戟と啓発によりてわがとがをあらため、生けるしるしある国の座に回生かへ保証あかしをあたへたまはんことを
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
新しく興り、新しく起ち、すべての旧態のからから出て、この人間の世に、大きな幸福の光燈あかしをかかげようとする青年のような意気が、七十をこえた法然上人にさえあった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なすっては、いけません。何といっても、お駒が、吉田屋さんへ奉公に上がっていたことのあるのは、事実ですし、それに、過ぎ去ったことではあり、いまとなっては、反証あかしの立てようのないことですから——
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
なぜならば、ここまで来ればもう御座のあたりの賑わいも御灯あかしの色めきもそれと洩れうかがわれるはずであった。
御燈あかしささぐる夜な夜な
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
明白あかしを立てます立てますッて、ここまで連れて来るから、途中で小用も出来ずさね、早い話が。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「今ごろお出でになろうとは存じませんので、一人で仏壇にお灯明あかしをあげていたところでした。さあ、どうぞこちらへおはいりくださいませ」
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
燈灯あかしが消えかかるので、彼はそっとで風をかこいながら、そこの壁ぎわまで進んで行った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日が暮れると、彼女たちは彼のところにあかしをもつてくる、まだ見たこともないやうな燭を。それから鐡兜のなかに赫いてゐる葡萄酒を。
とはいうものの、藤吉とてもなにもお定——というのがその老婆の名だが——の死を主張するにたる確証あかしを握っているというわけでもなかった。ただそんな気がするだけだった。
人形にんぎょうの紙をみ神光あかしで焼くこと七たび、かくして、十ぽう満天まんてんの星をいのりますれば、兇難きょうなんたちどころに吉兆きっちょうをあらわして、どんな大敵にいましょうとも
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでお前に頼みがある、お前はここに残ってわれのため後の証人あかしとなってはくれぬか
そればかりでなく、しまいには、こういう場合いつもよくある事で、ドゥーニャの弁解に召使たちが証言あかしをしてくれました。
「あれは一つの証詞あかしにすぎません。私にはとうから、この事件の起ることが予知されていたのです。云い当ててみましょうか。死体はたぶん浄らかな栄光に包まれているはずですわ」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
清きことの證左あかしとなるものは意志のみ、魂既に全く自由にその侶を變ふるをうるにいたればこの意志におそはれ且つこれを懷くを悦ぶ 六一—六三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)