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灯
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あかし
ふりがな文庫
“
灯
(
あかし
)” の例文
旧字:
燈
人仕事
(
ひとしごと
)
に
忙
(
いそがわ
)
しい家の、晩飯の支度は遅く、
丁
(
ちょう
)
ど
御膳
(
ごぜん
)
。
取附
(
とっつき
)
の障子を
開
(
あ
)
けると、
洋燈
(
ランプ
)
の
灯
(
あかし
)
も
朦朧
(
もうろう
)
とするばかり、
食物
(
たべもの
)
の湯気が立つ。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一座は
固唾
(
かたず
)
を呑みました。夕づく陽は縁側に
這
(
は
)
って、棺の前の
灯
(
あかし
)
が次第に明るくなると、
生温
(
なまぬる
)
い風がサッと吹いて過ぎます。
銭形平次捕物控:053 小唄お政
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「早く寝所へはいるがよいな」そう云って、彼は食後の茶もはやくきりあげ、自分は書斎へ
灯
(
あかし
)
をいれさせて立った。
日本婦道記:梅咲きぬ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
一学
(
いちがく
)
もおなじようにすすぎをおえ、
神殿
(
しんでん
)
の
龕
(
がん
)
にみ
灯
(
あかし
)
をともした。ふとみると、そこに
禁裡
(
きんり
)
のみ
印
(
しるし
)
のある
状筥
(
じょうばこ
)
がうやうやしく三ぼうの上にのせられてある。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
暗いみ
灯
(
あかし
)
の光りの代りに、其頃は、もう東白みの明りが、部屋の内の物の形を、
朧
(
おぼ
)
ろげに
顕
(
あらわ
)
しはじめて居た。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
僧
異
(
あや
)
しと見て、
六四
枕におきたる
禅杖
(
ぜんぢやう
)
をもてつよく
撃
(
う
)
ちければ、大きに叫んでそこにたふる。この音に
六五
主
(
あるじ
)
の
嫗
(
うば
)
なるもの
灯
(
あかし
)
を照し来るに見れば、若き女の打ちたふれてぞありける。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
灯
(
あかし
)
は奥深く
点
(
つ
)
いて、あそこにも、こゝにも、と見て居るうちに、六挺ばかりの
蝋燭
(
らふそく
)
が順序よく並んで
燃
(
とぼ
)
る。仏壇を斜に、内陣の角のところに座を占めて、
金泥
(
きんでい
)
の柱の側に
掌
(
て
)
を合はせたは、住職。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ぽつぽつ、街燈に
燻
(
くす
)
んだ
灯
(
あかし
)
をいれてゐる
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
灯
(
あかし
)
かざしてうかがへば
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
二人は、かがやく
灯
(
あかし
)
へ向って、並んで坐った。善光寺
如来
(
にょらい
)
の分身が、新らしいお
厨子
(
ずし
)
の内に、
皎々
(
こうこう
)
と仰がれた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
暗いみ
灯
(
あかし
)
の光りの代りに、其頃にはもう東白みの明りが、部屋の内の物の形を朧ろげに顕し出して居た。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
窓の内の老人の顏は、手燭の
灯
(
あかし
)
で前に立つてゐる平次の顏を見ると、ハツとした樣子で顏を引込め、窓の戸をハタと
鎖
(
とざ
)
さうとしました。が、平次の手は早くもそれ止めました。
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お辻が(
恐
(
おそろ
)
しい人だこと、)といつた時、其の顔色とともに
灯
(
あかし
)
が恐しく暗くなつたが、消えはしないだらうかと、いきなり
電
(
いなびかり
)
でもするかの如く、恐る/\目をあけて見ると、
最
(
も
)
う
真暗
(
まっくら
)
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
煽
(
あふ
)
つ
灯
(
あかし
)
をとりもちて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
あの夜ふけの
灯
(
あかし
)
の下
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
そこで半五郎は、さっき途中でチラと見た
灯
(
あかし
)
が、決して自分の錯覚でなかったのだと気がついて、にわかに、
納屋
(
なや
)
小屋とおぼしい屋敷の横手へばらばらと駆けだしました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丁
(
ちょう
)
ど、まだ
灯
(
あかし
)
を入れたばかりの
暮方
(
くれがた
)
でね、……其の
高楼
(
たかどの
)
から
瞰下
(
みお
)
ろされる
港口
(
みなとぐち
)
の
町通
(
まちどおり
)
には、
焼酎売
(
しょうちゅううり
)
だの、雑貨屋だの、
油売
(
あぶらうり
)
だの、肉屋だのが、皆
黒人
(
くろんぼ
)
に荷車を
曳
(
ひ
)
かせて、……
商人
(
あきんど
)
は、
各自
(
てんでん
)
に
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
灯
(
あかし
)
の下で
独楽
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
丁
(
ちやう
)
ど、まだ
灯
(
あかし
)
を
入
(
い
)
れたばかりの
暮方
(
くれがた
)
でね、……
其
(
そ
)
の
高樓
(
たかどの
)
から
瞰下
(
みお
)
ろされる
港口
(
みなとぐち
)
の
町通
(
まちどほり
)
には、
燒酎賣
(
せうちううり
)
だの、
雜貨屋
(
ざつくわや
)
だの、
油賣
(
あぶらうり
)
だの、
肉屋
(
にくや
)
だのが、
皆
(
みな
)
黒人
(
くろんぼ
)
に
荷車
(
にぐるま
)
を
曳
(
ひ
)
かせて、……
商人
(
あきんど
)
は、
各自
(
てん/″\
)
に
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
灯
(
あかし
)
の下で
独楽
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
部屋
(
へや
)
へ
灯
(
あかし
)
を
點
(
つ
)
ける
途端
(
とたん
)
に、
入口
(
いりぐち
)
の
扉
(
とびら
)
をコト/\と
輕
(
かる
)
く
叩
(
たゝ
)
くものがある。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「近所の静まるまで、もうちっと
灯
(
あかし
)
を
点
(
つ
)
けないでおけよ。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
灯
常用漢字
小4
部首:⽕
6画
“灯”を含む語句
提灯
灯火
灯明
鬼灯
小提灯
灯影
高張提灯
大提灯
弓張提灯
遠灯
紅提灯
鬼灯提灯
岐阜提灯
電灯
御灯
酸漿提灯
挑灯
灯花
行灯
瓦斯灯
...