“大提灯”のいろいろな読み方と例文
旧字:大提燈
読み方割合
おおぢょうちん71.4%
おおじょうちん7.1%
おおちょうちん7.1%
おほちやうちん7.1%
おほぢやうちん7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たちまち向うに見える雷門の新橋しんばしと書いた大提灯おおぢょうちんの下から、大勢の人がわいわいいって駈出かけだして来るのみか女の泣声までを聞付けた。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
前の仁王門におうもん大提灯おおじょうちん。大提灯は次第に上へあがり、前のように仲店なかみせを見渡すようになる。ただし大提灯の下部だけは消えせない。
浅草公園:或シナリオ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
暗の夜、舟で諏訪湖に出て、藻の中に舟がかりして、大提灯おおちょうちんを舟べりから出して、いくつか並べた浮子を、手長海老に遊ばせる。夜涼みであるが風はソヨともしない。
釣十二ヶ月 (新字旧仮名) / 正木不如丘(著)
殆ど眞暗な本堂のうちには、釣した大提灯おほちやうちんの磨いた金々具きんかなぐの底ばかりが見え、風の吹き込む時々、正面の入口に置いた大きな香爐の吐出す烟が、日の光の中には青い色して
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
夕飯の後、蓮華寺では説教の準備したくを為るので多忙いそがしかつた。昔からの習慣ならはしとして、定紋つけた大提灯おほぢやうちんがいくつとなく取出された。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)