“主”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬし36.0%
あるじ27.2%
おも11.4%
しゅ8.8%
しゆ5.4%
しゅう5.0%
しゆう1.3%
ヌシ0.8%
つかさど0.6%
アルジ0.5%
しう0.4%
ある0.4%
きみ0.2%
0.2%
つかさ0.2%
んし0.2%
シユ0.2%
やど0.1%
テーゼ0.1%
0.1%
のし0.1%
した0.1%
じゆ0.1%
つと0.1%
むね0.1%
シュ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どんな事情が、おありか、ぞんじませんが、それは、およしなさいませ。あれは魔の島です。おそろしいぬしがすんでいるのです。」
怪奇四十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
しかし迫害が烈しいだけに、「万事にかない給うおんあるじ」も、その頃は一層この国の宗徒しゅうとに、あらたかな御加護おんかごを加えられたらしい。
おぎん (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
金田氏はもと刀剣の鞘師さやしでありましたが、後牙彫商になって浅草向柳原むこうやなぎわらに店を持っている貿易商人で、おもに上等品を取り扱っているので
荘子そうじ』に「名はじつひんなり」とあるごとく、じつしゅにしてかくである。言葉も同じく考えのひん、思想のかくなりといいうると思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
別に好い声ではないが、円みのある、落着いた温かい声である。『——しゆウのー手エにーすーがーれエるー、身イはーやすウけエしー』
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「その白砂糖をちょんびりと載せたところが、しゅうの子を育てた姥の乳のしたたりをかたどったもので、名物の名物たる名残なごりでござりまする」
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
勤め大事に骨さへ折らば御氣に入らぬ事も無き筈と定めて、かゝる鬼のしゆうをも持つぞかし、目見えの濟みて三日の後、七歳になる孃さま踊りのさらひに午後よりとある
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
殊に其中の「あがヌシ御魂ミタマたまひて、春さらば、奈良の都に喚上メサげたまはね」とある一首は、よごととしての特色を見せてゐる。
(『白虎通びゃっこつう』に曰く、「魂魄こんぱくとはなんのいいぞ。魂はなお伝伝のごとし。行きて外に休まず、情をつかさどる。魄は迫然として人にきて性を主る」と)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
ウマノ刻ニ、アルジノ親シキ者、イノコノ肉卜酒トヲタズサエテ、オトナイ来ラン、ソノ人、東ヨリ来テ、コノ家ニ、悲シミヲモタラス。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
立出たちいでしなりと始終の事とも物語り然るにしうおやのおばつにや途中とちうに於て惡漢どもに欺かれ既に一命もうしなはんとせし程の危難にあひたるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ただその重く暗い石屋根の下にひそかな住人の転変が隠されているのは、宿のあるじの話でも察しられて、ぜひもない。月は更けて雲におおわれる。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
すなはちこの者をさまたきみとなりてルッカをピサ人に見えざらしむる山の上に狼とその仔等を逐ふに似たりき 二八—三〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「私の人ですもの……」
光の中に (新字新仮名) / 金史良(著)
定基は図らずも三河の赤坂のおさの許の力寿という美しい女に出会った。長というのはうまやの長で、駅館をつかさどるものが即ち長である。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
うららがマジダへ着いた時、がやがや排斥さらしよった奴らへ、おんしやら、この工事こうりが出来るかといっぺん言わな、日本人であらいでよ。
わが町 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
人皇ジンワウ九十五代ノ世ニ当ツテ、天下一トタビ乱レテ、シユモ安カラズ。コノ時、東魚トウギヨキタツテ、四海ヲ呑ミ、日ノ西天ニ没スルコト三百七十余日、西鳥サイテウキタツテ、東魚ヲ食ラフ。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孔子、魯衛ろえいに悦ばれず、宋の桓司馬かんしばまさに要してこれを殺さんとするにい、微服して宋を過ぐ、この時は孔子、やくに当たって、陳侯周の臣たる司城貞子しじょうていしやどとせり。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
僕の心の中には常にテーゼアンチテーゼとがある。一つの聲がさうだと云ふともう一つの聲がさうぢやあるまいと云ふ。
三太郎の日記 第二 (旧字旧仮名) / 阿部次郎(著)
けれども「プ」の字を書かずに「ブ」の字を書いてある。斯う云ふ意味に假名遣の發音と相違する點を、もに語原的と外國では申して居るやうであります。
仮名遣意見 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「そこな女中、この美少年が、おのしに惚れて、今夜、泊るとよう」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
(八) 子曰く、君子おもからざれば則ち威あらず、学べば則ちかたくなならず。忠信(の人)にしたしみ、己れにかざるひとを友とすることなかれ、あやまてば則ち改むるにはばかることなかれ。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
四八じゆこそ鬼になり給ひつれと、連忙あわただしく逃げさりぬるのちは、よな々里に下りて人を四九驚殺おどし、或は墓をあばきてなま々しきかばねくらふありさま、まことに鬼といふものは昔物がたりには聞きもしつれど
トルストイ伯曰く「神を知ることゝ生命いのちとは一にして離るべからざる者なり。神は生命なり。神を求むるをつとむべし、神なくして生命ある事あたはじ」
トルストイ伯 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
『和名抄』に蛇和名倍美蚖蛇げんじゃ加良須倍美からすへみ蚺蛇ぜんじゃ仁之木倍美にしきへみとありて幣美へみてふという名ぞむねと聞ゆる、同じ『和名抄』蝮の条に、〈俗あるいは蛇を呼ぶに反鼻と為す
「古語にいう。——シュタットケレバ臣栄エ、主憂ウル時ハ臣辱メラルと。弟には弟の主君あり、私には私の主君がありますから」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)