しゆう)” の例文
勤め大事に骨さへ折らば御氣に入らぬ事も無き筈と定めて、かゝる鬼のしゆうをも持つぞかし、目見えの濟みて三日の後、七歳になる孃さま踊りのさらひに午後よりとある
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
親にもしゆうにも振りかへて戀のやつことなりしまで慕ひし横笛。世を捨て樣を變へざれば、吾から懸けし戀のきづなく由もなかりし横笛。其の横笛の音づれ來しこそ意外なれ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
彼等のしゆうダニーロは、じつと物思ひに沈み、その緋色のジュパーンの袖が独木舟の縁から下へ垂れて水をしやくつてをり、また彼等の女主人をんなあるじカテリーナは静かにわが児を揺ぶりながら
そこでおのづかしゆうと家来と云ふやうな考が始終有つて、……いや、それもあの人にく言れる事だ、それくらゐなら始から許しはしない、好いと思へばこそかう云ふ訳に、……さうだ、さうだ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かんなを持つては好く削らんことを思ふ心の尊さは金にも銀にもたぐへ難きを、僅に残す便宜よすがも無くて徒らに北邙ほくばうの土にうづめ、冥途よみぢつとと齎し去らしめんこと思へば憫然あはれ至極なり、良馬しゆうを得ざるの悲み
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
しゆう永久とはに恵みあれ、われらも、と
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
鬼のおしゆう杢兵衛もくべさん
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
つと大事だいじほねさへらば御氣おきらぬことはづさだめて、かゝるおにしゆうをもつぞかし、目見めみえのみて三日ののち七歳なゝつになるじやうさまおどりのさらひに午後ごゞよりとある
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
勤め大事に骨さへ折らば御気に入らぬ事も無きはづと定めて、かかる鬼のしゆうをも持つぞかし、目見えの済みて三日ののち七歳ななつになる嬢さま踊りのさらひに午後よりとある
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それッ、と言ふて帰られる物では無し、うい奉公が肝腎かんじん、辛棒がならで戻つたと思はれても成らねば、おしゆう大事に勤めてくれ、我が病気やまひも長くは有るまじ、少しよくば気の張弓
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しゆう大事だいじつとめてれ、病氣やまひながくはるまじ、すこしよくば張弓はりゆみひきつゞいてあきなひもなる道理だうり、あゝ今半月いまはんつき今歳ことしすぎれば新年はることたるべし、何事なにごと辛棒しんぼう/\
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あきよりたゞ一人の伯父おぢわづらひて、商賣しやうばい八百やをみせもいつとなくぢて、おなまちながら裏屋うらや住居ずまゐなりしよしはけど、六づかしきしゆう給金きうきんきにもらへえば此身このみりたるもおなこと
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
秋よりただ一人の伯父がわづらひて、商売の八百や店もいつとなく閉ぢて、同じ町ながら裏屋住居ずまゐに成しよしは聞けど、むづかしきしゆうを持つ身の給金を先きにもらへばこの身は売りたるも同じ事
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ことばはすがものうくて、病氣びやうきなどゝありもせぬいつはりはなにゆゑにひけん、そらおそろしさにうちふるへて、はらたちしならば雪三せつざうゆるしてよ、へだつるこゝろ微塵みぢんもなけれど、しゆう家來けらいむかしはもあれ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひきかへてたづねぬならねどづればれとははれぬおしゆうのもとへまた見出みだされて二おんあるがなかにも取分とりわけてじやうさまの御慈愛おいつくしみやまうちみねたかきがうへたかうみうち沖深おきふかきがうへふかしお可愛かあいびと
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
假初かりそめならぬ三えんおなじ乳房ちぶさりしなり山川さんせんとほへだたりし故郷こきやうりしさへひがしかたあしけそけし御恩ごおん斯々此々かく/\しか/″\はゝにてはおくりもあえぬに和女そなたわすれてなるまいぞとものがたりかされをさごゝろ最初そも/\よりむねきざみしおしゆうことましてやつゞ不仕合ふしあはせかたもなき浮草うきくさ孤子みなしご流浪るらうちからたのむは
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)