“便宜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
べんぎ72.8%
たより9.7%
よすが9.7%
びんぎ4.9%
コンビニエンス1.0%
しるべ1.0%
よし1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
良兼は何様どうかして勝を得ようとしても、尋常じんじやうの勝負では勝を取ることが難かつた。そこで便宜べんぎうかゞひ巧計を以て事をさうと考へた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
私の全心が愛のほのほで燃え尽きませうとも、それを知らせる便宜たよりさへ無いぢやありませんか、此のまゝがれて死にましても
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
まだまつたてないけむり便宜よすがに、あからめもしないでぢつときをんな二人ふたりそろつて、みはつて、よつツのをぱつちりとまたゝきした。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
其の土地の長者が駅館を主どり、駅館は官人や身分あるものを宿泊休憩せしめて旅の便宜びんぎを半公的に与える制度から出来たものである。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あらゆる科学文明は人類に生活の「便宜コンビニエンス」を与えると同時に、殺人の「便宜」までを景品としてえることを忘れはしなかった。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
迂濶うかつに叫ぶと、その声を便宜しるべ何処どこからか岩石を投落なげおとされる危険をおそれたからである。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「鳥が鳴くあづまの空に僥倖ふさへしに、行かんと思へど便宜よし旅費さねもなし」との述懐は、当時の都人士の憧憬あこがれるところを露骨に歌ったものであった。