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便宜
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よすが
ふりがな文庫
“
便宜
(
よすが
)” の例文
まだ
全
(
まつた
)
く
消
(
き
)
え
果
(
は
)
てない
煙
(
けむり
)
を
便宜
(
よすが
)
に、あからめもしないで
熟
(
ぢつ
)
と
視
(
み
)
る
時
(
とき
)
、
女
(
をんな
)
は
二人
(
ふたり
)
、
揃
(
そろ
)
つて、
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つて、
四
(
よつ
)
ツの
目
(
め
)
をぱつちりと
瞬
(
またゝ
)
きした。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その後ふたたびかの場所へ行ってみると、そこらには草木が一面におい茂っているばかりで、むかしの跡をたずねる
便宜
(
よすが
)
もありませんでした。
中国怪奇小説集:14 剪灯新話(明)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
どちらをどちらと
判
(
わ
)
けかぬる、二人の
情
(
こころ
)
を汲みて知る上人もまたなかなかに口を開かん
便宜
(
よすが
)
なく、しばしは静まりかえられしが、源太十兵衛ともに聞け
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
わたしは鎧戸の
貫木
(
かんぬき
)
をはずすと、窓は前にいった裏庭にむかっているが、そこには張り出しも何もないので、切っ立てになっている壁を降りる
便宜
(
よすが
)
もなく
世界怪談名作集:02 貸家
(新字新仮名)
/
エドワード・ジョージ・アール・ブルワー・リットン
(著)
異国に渡りて
碧眼奴
(
あをめだま
)
どもを切り従へむこそ
相応
(
ふさは
)
しけれと思ひ定めつ。渡船の
便宜
(
よすが
)
もがなと心掛け
歩
(
あ
)
りくうち、路用とても無き身のいつしか窮迫の身となりぬ。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
九十九
(
つくも
)
島は、雲仙から
降
(
くだ
)
る自動車道路からは
僅
(
わずか
)
に南端の数島が見え、また
南風楼
(
なんぷうろう
)
の方からは、北端の数島が見えるだけで、島原の町に入ると、そこは湾入した港で、島を眺める
便宜
(
よすが
)
はなく
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
相手は暗い中に忍んでいるので、どこの誰と見定める
便宜
(
よすが
)
もないが、それがかの怪しい異国の男の仕業であるらしいことは誰にも想像された。
小坂部姫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ただただ
鑿
(
のみ
)
をもってはよく
穿
(
ほ
)
らんことを思い、
鉋
(
かんな
)
を持ってはよく削らんことを思う心の
尊
(
たっと
)
さは金にも銀にも
比
(
たぐ
)
えがたきを、わずかに残す
便宜
(
よすが
)
もなくていたずらに
北邙
(
ほくぼう
)
の土に
没
(
うず
)
め
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
家の職を奪われ、あるいは
遠流
(
おんる
)
の身となっては、再び悪魔調伏の祈祷を試むる
便宜
(
よすが
)
もない。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
鉋
(
かんな
)
を持つては好く削らんことを思ふ心の尊さは金にも銀にも
比
(
たぐ
)
へ難きを、僅に残す
便宜
(
よすが
)
も無くて徒らに
北邙
(
ほくばう
)
の土に
没
(
うづ
)
め、
冥途
(
よみぢ
)
の
苞
(
つと
)
と齎し去らしめんこと思へば
憫然
(
あはれ
)
至極なり、良馬
主
(
しゆう
)
を得ざるの悲み
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
扨
(
さて
)
はここにも何か
椿事
(
ちんじ
)
が
起
(
おこ
)
っているに相違ないと、忠一も驚いて身構えしたが、
燐寸
(
まっち
)
を持たぬ彼は
暗
(
やみ
)
を
照
(
てら
)
すべき
便宜
(
よすが
)
もないので、
抜足
(
ぬきあし
)
しながら
徐々
(
そろそろ
)
と探り寄ると、彼は
忽
(
たちま
)
ち
或物
(
あるもの
)
に
蹉
(
つまず
)
いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
那方
(
どちら
)
を那方と判かぬる、二人の
情
(
こゝろ
)
を汲みて知る上人もまた中〻に口を開かん
便宜
(
よすが
)
なく、暫時は静まりかへられしが、源太十兵衞ともに聞け、今度建つべき五重塔は唯一ツにて建てんといふは汝達二人
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
河中
(
かわなか
)
に岩石
突兀
(
とっこつ
)
として橋を架ける
便宜
(
よすが
)
が無いのと、水勢が極めて急激で
橋台
(
きょうだい
)
を突き崩して
了
(
しま
)
うのとで、少しく広い
山河
(
やまがわ
)
には一種の
籠
(
かご
)
を懸けて、旅人は
其
(
そ
)
の両岸に通ずる
大綱
(
おおづな
)
を
手繰
(
たぐ
)
りながら
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
便
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
宜
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
“便宜”で始まる語句
便宜上
便宜的